プログラミング言語IV課題2003後期
バイナリファイルの扱いとWAVEファイル
Copyright (C) 2Aug2002 coskx
VersionUp16June2003
1.バイナリファイルの扱い(第1週)
1.1テキストファイルとバイナリファイル
テキストファイル:テキストエディタで書いたり読んだり出来るファイル。
バイナリファイル:テキストファイル以外のファイル。実行形式ファイルやデータファイルなど。
1.2ファイルのバイナリオープン
ファイルのオープンにはテキストオープンとバイナリオープンがある。テキストファイルのみをオープンする場合はテキストオープンするが,そうでない場合はバイナリオープンする。バイナリファイルはバイナリオープンしないと正しく読んだり書いたり出来ない。
ファイルのオープンの際に,テキストファイルの場合は
fp=fopen(argv[1],"r");
fp=fopen(argv[1],"w");
と書くがバイナリファイルの場合は
fp=fopen(argv[1],"rb");
fp=fopen(argv[1],"wb");
と書く。
バイナリファイルに対して,1バイトデータに対してfgetc(),fputc()を使うこともあるが,複数バイトの読み込み書き出しに関してはfread()あるいはfwrite()が使われ,fgets()やfputs()は使われない。
例 ファイルをバイナリオープンして,先頭の100文字をそのまま表示するプログラムtypeFile100.cを次に示す。
プログラムtypeFile100.c |
/* binary open test */ #include <stdio.h> #include <stdlib.h> int main(int argc, char *argv[]) { FILE *fp; int i; int chr; if (argc!=2) { printf("** error ** no filename !! \n"); exit(1); } fp=fopen(argv[1],"rb"); if (fp==NULL) { printf("** error ** can't open the file\n"); exit(1); } printf("input file name: <<%s>>\n",argv[1]); for (i=0;i<200;i++) { chr=fgetc(fp); putchar(chr); } putchar('\n'); fclose(fp); return 0; } ——— 実行結果 ——— |
課題 1 ファイルの先頭200文字分をテキスト
表示とバイナリ表示(16進数表示)の両方を表示するプログラムtypeFile.cを作りなさい。処理対象のファイル名はコマンドラインから与えること
とする。ただし,テキスト表示する場合は0x21以上0x7e以下のみ通常表示し,それ以外は小数点を表示することにします。プログラム動作テストとし
て,ソースファイルと実行形式ファイルを表示しなさい。提出はtnct20の各自のpublic_htmlにファイル名「typeFile.txt」で公
開することとする。
例としてソースファイルを対象にした時の表示例を次に示す。(Microsoft
Windowsの時の例)
ヒント:関数fgetc(),fread()について検討しなさい。
ソースファイルを対象にした時の表示例 #include.<stdio.h>..
#include.<stdlib.h>.
...int.main(int.argc
,.char.*argv[])..{..
....FILE.*fp;......i
nt.i;......int.chr;.
.....if.(argc!=2).{.
.........printf("**.
error.**.no.filename
.!!.\n");..........e
----------------------------------
23 69 6e 63 6c 75 64 65 20 3c 73 74 64 69 6f 2e 68 3e 0d 0a
23 69 6e 63 6c 75 64 65 20 3c 73 74 64 6c 69 62 2e 68 3e 0d
0a 0d 0a 69 6e 74 20 6d 61 69 6e 28 69 6e 74 20 61 72 67 63
2c 20 63 68 61 72 20 2a 61 72 67 76 5b 5d 29 0d 0a 7b 0d 0a
20 20 20 20 46 49 4c 45 20 2a 66 70 3b 0d 0a 20 20 20 20 69
6e 74 20 69 3b 0d 0a 20 20 20 20 69 6e 74 20 63 68 72 3b 0d
0a 20 20 20 20 69 66 20 28 61 72 67 63 21 3d 32 29 20 7b 0d
0a 20 20 20 20 20 20 20 20 70 72 69 6e 74 66 28 22 2a 2a 20
65 72 72 6f 72 20 2a 2a 20 6e 6f 20 66 69 6c 65 6e 61 6d 65
20 21 21 20 5c 6e 22 29 3b 0d 0a 20 20 20 20 20 20 20 20 65
提出するテキストファイル書式は次の通りとします。(本講義での提出テキストファイルはすべてこの形式にします。)
提出するテキストファイル書式
課題1 ファイルの先頭100文字分をテキスト表示とバイナリ表示の両方を表示するプログラム
1.提出者名 4Jxx 高専太郎
2.課題概要
3.製作したプログラムソースtypeFile.c
#include …….
:
4.実行結果
この課題では実行結果は2つ
(1)ソースファイルに対してこのプログラムを実行した時
(2)実行形式ファイルに対してこのプログラムを実行した時
5.まとめと感想
(1)苦労したポイント,理解してよかったポイント
(2)課題の難易度について
(3)提言
(4)その他
2.ファイルのダンプ(第2週)
ファイル
ダンププログラムはファイルの内容をバイナリ表示(16進表示)とテキスト表示を対応がわかるように表示するプログラムである。以下に表示例を示す。な
お,テキスト表示では0x21以上0x7e以下のみ通常表示し,それ以外は小数点を表示することにします。次に示すのはプログラムソースファイル
「typeFile100.c」をダンプしたところである。
typeFile100.cのダンプ
+0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +a +b +c +d +e +f 0123456789abcdef
0000000 : 2f 2a 20 62 69 6e 61 72 79 20 6f 70 65 6e 20 74 /*.binary.open.t
0000010 : 65 73 74 20 2a 2f 0d 0a 23 69 6e 63 6c 75 64 65 est.*/..#include
0000020 : 20 3c 73 74 64 69 6f 2e 68 3e 0d 0a 23 69 6e 63 .<stdio.h>..#inc
0000030 : 6c 75 64 65 20 3c 73 74 64 6c 69 62 2e 68 3e 0d lude.<stdlib.h>.
0000040 : 0a 0d 0a 69 6e 74 20 6d 61 69 6e 28 69 6e 74 20 ...int.main(int.
0000050 : 61 72 67 63 2c 20 63 68 61 72 20 2a 61 72 67 76 argc,.char.*argv
0000060 : 5b 5d 29 0d 0a 7b 0d 0a 09 46 49 4c 45 20 2a 66 [])..{...FILE.*f
0000070 : 70 3b 0d 0a 09 69 6e 74 20 69 3b 0d 0a 09 69 6e p;...int.i;...in
0000080 : 74 20 63 68 72 3b 0d 0a 09 69 66 20 28 61 72 67 t.chr;...if.(arg
0000090 : 63 21 3d 32 29 20 7b 0d 0a 09 09 70 72 69 6e 74 c!=2).{....print
00000a0 : 66 28 22 2a 2a 20 65 72 72 6f 72 20 2a 2a 20 6e f("**.error.**.n
00000b0 : 6f 20 66 69 6c 65 6e 61 6d 65 20 21 21 20 5c 6e o.filename.!!.\n
00000c0 : 22 29 3b 0d 0a 09 09 65 78 69 74 28 31 29 3b 0d ");....exit(1);.
00000d0 : 0a 09 7d 0d 0a 09 66 70 3d 66 6f 70 65 6e 28 61 ..}...fp=fopen(a
00000e0 : 72 67 76 5b 31 5d 2c 22 72 62 22 29 3b 0d 0a 09 rgv[1],"rb");...
00000f0 : 69 66 20 28 66 70 3d 3d 4e 55 4c 4c 29 20 7b 0d if.(fp==NULL).{.
0000100 : 0a 09 09 70 72 69 6e 74 66 28 22 2a 2a 20 65 72 ...printf("**.er
0000110 : 72 6f 72 20 2a 2a 20 63 61 6e 27 74 20 6f 70 65 ror.**.can't.ope
0000120 : 6e 20 74 68 65 20 66 69 6c 65 5c 6e 22 29 3b 0d n.the.file\n");.
0000130 : 0a 09 09 65 78 69 74 28 31 29 3b 0d 0a 09 7d 0d ...exit(1);...}.
0000140 : 0a 09 70 72 69 6e 74 66 28 22 69 6e 70 75 74 20 ..printf("input.
0000150 : 66 69 6c 65 20 6e 61 6d 65 3a 20 3c 3c 25 73 3e file.name:.<<%s>
0000160 : 3e 5c 6e 22 2c 61 72 67 76 5b 31 5d 29 3b 0d 0a >\n",argv[1]);..
0000170 : 09 66 6f 72 20 28 69 3d 30 3b 69 3c 32 30 30 3b .for.(i=0;i<200;
0000180 : 69 2b 2b 29 20 7b 0d 0a 09 09 63 68 72 3d 66 67 i++).{....chr=fg
0000190 : 65 74 63 28 66 70 29 3b 0d 0a 09 09 70 75 74 63 etc(fp);....putc
00001a0 : 68 61 72 28 63 68 72 29 3b 0d 0a 09 7d 0d 0a 09 har(chr);...}...
00001b0 : 70 75 74 63 68 61 72 28 27 5c 6e 27 29 3b 0d 0a putchar('\n');..
00001c0 : 09 66 63 6c 6f 73 65 28 66 70 29 3b 0d 0a 09 72 .fclose(fp);...r
00001d0 : 65 74 75 72 6e 20 30 3b 0d 0a 7d 0d 0a eturn.0;..}..
課題 2 ここに挙げ たような表示形式のファイルのダンププログラムdumpFile.cを作成しなさい。ただし対象ファイル名はコマンドラインから入力することとします。提 出はtnct20の各自のpublic_htmlにファイル名「dumpFile.txt」で公開することにします。書式は課題1と同じにします。
3.Windows Sound file
(wav)の解析(第3週,第4週,第5週)
Windowsのサウンドファイル形式の1つにwav形式がありま
す。この形式のファイルはヘッダ部とデータ部とで構成されている。ヘッダ部にはwav形式であることやサンプリングに関する情報が書かれている。またデー
タ部はサンプリングされたデータ列が保存されています。ヘッダ部は表3.1のような構成となっている。(ここに示すwav形式に関する記述は情報工学科西
村亮先生の資料から引用し,小坂が加筆しています。)
表3.1 wavファイルの形式(情報工学科西村亮先生のまとめ)
先頭からのバイト数 | 項目番号 | サイズ | 内容 | 備考 | |
(10進) | (16進) |
|
[byte] |
|
数値例 |
0 |
0 |
1 |
4 |
'RIFF' |
|
4 |
4 |
2 |
4 |
ファイルサイズ-8 |
[byte] |
8 |
8 |
3 |
4 |
'WAVE' |
|
12 |
C |
4 |
4 |
'fmt ' |
tの後は空白(' ') |
16 |
10 |
5 |
4 |
項目6〜11の部分の合計サイズ[byte] |
下記(3)を参照 |
20 |
14 |
6 |
2 |
フォーマットID |
リニアPCM:1 |
22 |
16 |
7 |
2 |
チャネル数 |
monaural:1,stereo:2 |
24 |
18 |
8 |
4 |
サンプリング周波数[Hz] |
|
28 |
1C |
9 |
4 |
平均データ速度[byte/s] |
項目8×項目10 |
35 |
20 |
10 |
2 |
ブロックサイズ[byte/sample] |
項目7×(項目11÷8) |
34 |
22 |
11 |
2 |
1サンプル当たりのビット数[bit] |
量子化ビット数(8or16) |
* |
* |
*1 |
2 |
項目*2のサイズ |
|
* |
* |
*2 |
|
ヘッダ拡張部(サイズ不定,*1参照) |
|
* |
* |
*3 |
4 |
'fact' |
|
* |
* |
*4 |
4 |
項目*5のサイズ |
|
* |
* |
*5 |
|
wav情報(サイズ不定,*4参照) |
|
36 |
24 |
12 |
4 |
'data' |
|
40 |
28 |
13 |
4 |
項目14のサイズ[byte] |
|
44 |
2C |
14 |
|
データ #0 |
#0(先頭)から#1,#2…の順 |
・ |
・ |
|
|
|
(時間順)に量子化した |
・ |
・ |
|
|
|
振幅値を書き込む |
・ |
・ |
|
|
|
|
補足説明
(1) 項目1,3,4,12は ' ' に囲まれた文字列がそのまま書かれる.
(2)
項目1,3,4,12,14,*2,*3以外の項目は,それぞれのサイズの整数であり,いずれもバイナリで書かれる.2バイト以上に渡る整数値は下位バイトから順に並んでいる。
(3)
項目5は,項目*1及び*2がある場合には,項目6〜11及び*1,*2の部分の合計サイズとなる.
(4)
項目6が1(リニアPCM)の場合には,項目*1から*5までの項目は不要(ある場合もある).これらの項目がある場合,その分だけ,項目12から14に
ついては先頭からのバイト数が変化する.例えば,項目*1,*2がなく,項目*3から*5の各項目がある場合,項目12,13,14の先頭からのバイト数
はそれぞれ,48,52,56(10進)または30,34,38(16進)となる.
(5)
項目11は,項目6が1の場合には,8または16となる.
(6)
項目14は,項目11が8の場合は1[byte]の符号なし整数,16の場合は2[byte]の符号付き整数(リトルエンディアン)であり,いずれの場合
もバイナリで書かれる.図3.1は16bitの場合のサンプルデータの例であり,また図3.2は8bitの場合のサンプルデータ例である。
(7)
項目14は,項目7が2(ステレオ)の場合には,サンプル毎に左チャネル,右チャネルの順で記録される.
(8)
振幅値が0(無音)の場合の量子化値は,量子化ビット数が8[bit]の場合は128(0x80),16[bit]の場合は0(0x0000)である.
Wavファイルの先頭部の例を次に示します。(情報工学科西村亮先生のまとめ)
例1.録音条件その1
サンプリング周波数fs=22050[Hz]
量子化ビット数=8[bit]
モノラル
データ数=24938[sample]
ファイルサイズ=24994[byte]
(1) ファイル先頭部分のダンプリスト
ファイル先頭部分のダンプリスト |
00
01 02 03 04 05 06 07 08 09 0A 0B 0C 0D 0E 0F 00000000 52 49 46 46 9A 61 00 00 - 57 41 56 45 66 6D 74 20 RIFF.a..WAVEfmt. 00000010 10 00 00 00 01 00 01 00 - 22 56 00 00 22 56 00 00 ........"V.."V.. 00000020 01 00 08 00 66 61 63 74 - 04 00 00 00 6A 61 00 00 ....fact....ja.. 00000030 64 61 74 61 6A 61 00 00 - 80 80 80 80 80 80 80 80 dataja.......... ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ |
表 3.2 ファイルの内容
始点
終点
ダンプ内容
内容の読み
値
対応項目
0
3
52 49 46 46
左に同じ
'RIFF'
1
4
7
9A 61 00 00
00 00 61 9A
24986
2
8
0B
57 41 56 45
左に同じ
'WAVE'
3
0C
0F
66 6D 74 20
左に同じ
'fmt '
4
10
13
10 00 00 00
00 00 00 10
16
5
14
15
01 00
00 01
1
6
16
17
01 00
00 01
1
7
18
1B
22 56 00 00
00 00 56 22
22050
8
1C
1F
22 56 00 00
00 00 56 22
22050
9
20
21
01 00
00 01
1
10
22
23
08 00
00 08
8
11
24
27
66 61 63 74
左に同じ
'fact'
*3
28
2B
04 00 00 00
00 00 00 04
4
*4
2C
2F
6A 61 00 00
00 00 61 6A
24938
*5
30
33
64 61 74 61
64 61 74 61
'data'
12
34
37
6A 61 00 00
00 00 61 6A
24938
13
38
80
左に同じ
128
14:#0
39
80
〃
128
14:#1
3A
80
〃
128
14:#2
3B
80
〃
128
14:#3
3C
80
〃
128
14:#4
3D
80
〃
128
14:#5
3E
80
〃
128
14:#6
3F
80
〃
128
14:#7
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
例2.録音条件その2
サンプリング周波数fs=10000[Hz]
量子化ビット数=16[bit]
モノラル
データ数=6100[sample]
ファイルサイズ=12244[byte]
(1) ファイル先頭部分のダンプリスト
ファイル先頭部分のダンプリスト |
00
01 02 03 04 05 06 07 08 09 0A 0B 0C 0D 0E 0F 00000000 52 49 46 46 CC 2F 00 00 - 57 41 56 45 66 6D 74 20 RIFF./..WAVEfmt. 00000010 10 00 00 00 01 00 01 00 - 10 27 00 00 20 4E 00 00 .........'...N.. 00000020 02 00 10 00 64 61 74 61 - A8 2F 00 00 04 00 06 00 ....data./...... 00000030 08 00 0D 00 09 00 04 00 - FD FF F9 FF FD FF FC FF ................ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ |
表 3.3 ファイルの内容
始点
終点
ダンプ内容
内容の読み
値
対応項目
0
3
52 49 46 46
左に同じ
'RIFF'
1
4
7
CC 2F 00 00
00 00 2F CC
12236
2
8
0B
57 41 56 45
左に同じ
'WAVE'
3
0C
0F
66 6D 74 20
左に同じ
'fmt '
4
10
13
10 00 00 00
00 00 00 10
16
5
14
15
01 00
00 01
1
6
16
17
01 00
00 01
1
7
18
1B
10 27 00 00
00 00 27 10
10000
8
1C
1F
20 4E 00 00
00 00 4E 20
20000
9
20
21
02 00
00 02
2
10
22
23
01 00
00 01
16
11
24
27
64 61 74 61
64 61 74 61
'data'
12
28
2B
A8 2F 00 00
00 00 2F A8
12200
13
2C
2D
04 00
00 04
4
14:#0
2E
2F
06 00
00 06
6
14:#1
30
31
08 00
00 08
8
14:#2
32
33
0D 00
00 0D
13
14:#3
34
35
09 00
00 09
9
14:#4
36
37
04 00
00 04
4
14:#5
38
39
FD FF
FF FD
-3
14:#6
3A
3B
F9 FF
FF F9
-7
14:#7
3C
3D
FD FF
FF FD
-3
14:#8
3E
3F
FC FF
FF FC
-4
14:#9
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1サンプルデータが16bitで出来ている場合と8bitで出来ている場合の例を図3.1,3.2に示す。
図3.1 1サンプルデータが16bitで出来ている場合のデータ列の例
値域は-32768〜32767であり,無信号時の値は0である。
図3.2 1サンプルデータが8bitで出来ている場合のデータ列の例
値域は0〜255であり,無信号時の値は128である。
課題 3
(1)wavファイルを課題2で作成したdumpFileでダンプし,各項目内容を調べて表にまとめなさい。
(2)wavファイルのヘッダ部分を読み出し,コンソール画面に表示するプログラムextractInfo.cを作成しなさい。ただし表3.1の*1〜*4は表示しない事にします。
プログラムおよび結果をファイル名「extractInfo.txt」で公開しなさい。書式は課題1と同じにします。またdumpFile.cを用いたダンプ結果は「まとめと感想」に書きなさい。
この課題では次の2つのwavファイルを対象として用いてよい。他のwavファイルを対象としてもよい。
hello.wav readytoprint.wav
ヒント1:
先頭の4バイトの文字列'RIFF',ファイルサイズ-8,文字列'WAVE', 文字列'fmt
'を確認する。「項目6〜11,*1*2」のサイズを覚えておき,項目6〜11を読み取る。項目6〜11までは本来16バイトであるがそれを超えた場合
は*1*2があるという意味なのでこの部分は読み飛ばす。次に4文字読んで文字列'data'でなく,文字列'fact'だったら,*4を読んで,*5の
バイト数を知り,*5を読み飛ばす。次に4文字読んで文字列'data'だったら,次の項目13でサウンドデータの総バイト数を知ることが出来る。
ヒント2:
次の3つの関数の役割を考えなさい。
void getString4(char
*buff)
{
fread(buff,1,4,fpi);
}
static short
int getShortInt(void)
{
unsigned char
buff[2];
short int x=0;
fread(buff,1,2,fpi);
x=(short int)buff[0]+(((short
int)buff[1])<<8);
return x;
}
static unsigned long int getLongInt(void)
{
unsigned
char buff[4];
unsigned long int x=0;
fread(buff,1,4,fpi);
x=(unsigned long
int)buff[0]+(((unsigned long int)buff[1])<<8)+(((unsigned long
int)buff[2])<<16)+(((unsigned long
int)buff[3])<<24);
return x;
}
ヒント3 次の構造体はwaveファイルのヘッダに対応しているので用いなさい。
typedef struct
{
char str_riff[4];
unsigned long
int fsize_8;/*ファイルサイズ-8 [byte]*/
char
str_wave[4];
char str_fmt[4];
unsigned long int
info_block_size;/*format〜num_bits_sampleの部分の合計サイズ[byte]*/
unsigned short int wave_format;/*フォーマットID リニアPCM:1*/
unsigned short int number_of_channels;/*チャネル数 nc モノラル:1
ステレオ:2*/
unsigned long int
sampling_frequency;/*サンプリング周波数fs [Hz] */
unsigned long int
rate;/*平均データ速度r=fs*sb [byte/s]*/
unsigned short int
blocksize;/*ブロックサイズsb=(nc*INT(nb/8))[byte/sample time]*/
unsigned short int num_bits_sample;/*1サンプル当たりのビット数nb
[bit]*/
char str_data[4];
unsigned
long int binarydatasize;/*バイナリデータのサイズ[byte]*/
}
pcmheader_t;/*ヘッダ構造体の定義*/
課題 4
次の課題のプログラムを作りなさい。提出用のファイル名はmodifyWaveFile.txtとし,作成したすべてのプログラムをこの中に公開しなさい。書式は課題1と同様にします。サンプルwaveファイルreadytoprint.wavを
与えるので,作業結果のwavファイルをFile1.wav,File2.wav,File3.wav,File4.wav,File5.wavとして公
開しなさい。なおすべてのデータはモノラルと仮定しなさい。また,WAVEファイルのヘッダを読み込むための関数,ヘッダを書き出すための関数を作り,こ
れを利用するプログラムとしなさい。。
(1)wavファイルを読み込み,読み込みデータ中の先頭1秒だけのデータのみで出来ているwavファイルに変換するプログラムshortenWave.cを作りなさい。
(File1.wav)
(2)wavファイルを読み込み,wavファイルのヘッダ部分,サウンドデータをテキストファイルに変換するプログラムWaveToText.cを作りなさい。ただしサウンドデータは32767〜-32768の範囲で出力されるようにしなさい。
(3)wavファイルを読み込み,サンプルデータを逆順にしたwavファイルに変換するプログラムreverseWave.cを作りなさい。「あいうえお」は「おえういあ」に聞こえるでしょう。
(File2.wav)
(4)wavファイルを読み込み,読み込んだサウンドを2回繰り返すwavファイルに変換するプログラムrepeatWave.cを作りなさい。再生時間は2倍になるはずです。
(File3.wav)
(5)wavファイルを読み込み,読み込んだサウンドを倍速再生するwavファイルに変換するプログラムfastPlayWave.cを作りなさい。ただしサンプリング周波数を変更していけません。
(File4.wav)
(6)wavファイルを読み込み,読み込んだサウンドを半速再生するwavファイルに変換するプログラムslowPlayWave.cを作りなさい。ただしサンプリング周波数を変更していけません。
(File5.wav)
正しい形式のwave形式かどうかをチェックする「checkwav」というプログラムがこのWebページの最後の部分に「おまけ」として載せてあるので検査しなさい
(1)windowsでは〜.wavのアイコンをcheckwav.exeにドラッグ&ドロップして実行
(2)UNIXでは「>checkwav
〜.wav」で実行
ヒント 次の3つの関数の役割を調べなさい。
void putString4(char *buff)
{
fwrite(buff,1,4,fpo);
}
void putShortInt(short int
x)
{
unsigned char buff[2];
buff[0]=x&0xff;
x>>=8;
buff[1]=x&0xff;
fwrite(buff,1,2,fpo);
}
void
putLongInt(unsigned long int x)
{
unsigned char
buff[4];
buff[0]=(unsigned
char)(x&0xff);
x>>=8;
buff[1]=(unsigned char)(x&0xff);
x>>=8;
buff[2]=(unsigned
char)(x&0xff);
x>>=8;
buff[3]=(unsigned char)(x&0xff);
fwrite(buff,1,4,fpo);
}
4.正弦波データによるwavファイルの作成(第6週,第7週)
課題 5
与えられた周波数の単一正弦波トーンを表すモノラルの構成のwavファイルをつくるプログラムを作りなさい。
(1)トーンの周波数,トーンの継続時間(再生時間),サンプリング周波数,1サンプルデータ当たりのビット数が固定値で,それぞれ1200Hz,3sec,8000Hz,8bitであるプログラムcreateSinWave1.c
(2)トーンの周波数,トーンの継続時間(再生時間),サンプリング周波数,1サンプルデータ当たりのビット数が設定ファイルで与えられるプログラムcreateSinWave2.c。
設定ファイルの書式は以下のようである。使用されているキーワードはこのまま使うこと。
設定ファイル
// SinSetting.txt
// コメントはこのように書く
ToneFrequency 1200 //[Hz]
Duration 3 //[sec]
SamplingFrequency 8000 //[Hz]
QuantizationBitLength 8 //[bit]
提出前にチェック用プログラムpowerspectrumで出力ファイルをチェックしなさい。
(unix版powerspectrum windows版powerspectrum.exe)
設定した周波数に近い離散周波数のパワー値が一番大きければよい。
提出はファイル名createSinWave.txtとし,書式はこれまでと同様にしなさい。また(1)で作成されたwavファイルをcreatedsinwave.wavの名前で公開しなさい。
ヒント 3秒間の1250Hzのトーンをサンプリング周波数8000Hzで作ることを考えよう。振幅は15000とする。
このトーンを時間の関数で表すと,次式となる。
y
= a sin ( 2 π f t ),ただしa = 15000,f =
1250
サンプリング周波数が8000Hzなので,サンプルデータは1秒間に8000個になる。3秒間を構成するサンプルデータ総数は3×8000=24000個となる。
サンプリング周波数が8000Hzなので,サンプルデータ間の時間,すなわちサンプリング周期は1/8000秒である。先頭からi番目のサンプルデータは,先頭からi/8000秒である。
このトーンのi番目のサンプルデータを数式で表すと次式となる。
y[i]
= 15000 * sin ( 2 * 3.1415926535 * 1250 * i / 8000 )
ヒント 設定ファイルを読む関数を作ると簡単になる。
/*
// SinSetting.txt
// コメントはこのように書く
ToneFrequency 1200 //[Hz]
Duration 3 //[sec]
SamplingFrequency 8000 //[Hz]
QuantizationBitLength 8 //[bit]
Amplitude 80 //[%]
*/
typedef struct {
int ToneFrequency; //1200 [Hz]
int Duration; // 3 [sec]
int SamplingFrequency; //8000 [Hz]
int QuantizationBitLength; // 8 [bit]
int Amplitude; // 80 [%]
} setting_t;
setting_t getSetting(char *fname)
{
FILE *fp;
char buff[512];
char key[128];
int value;
setting_t st;
fp=fopen(fname,"r");
if (fp==NULL) {
printf("** ERROR -- can't open file [%s] **\n",fname);
exit(1);
}
while (fgets(buff,512,fp)!=NULL) {
key[0]=0;//keyのクリア
sscanf(buff,"%s %d",key,&value);
if (!strcmp(key,"ToneFrequency")) st.ToneFrequency=value;
else if (!strcmp(key,"Duration")) st.Duration=value;
else if (!strcmp(key,"SamplingFrequency")) st.SamplingFrequency=value;
else if (!strcmp(key,"QuantizationBitLength")) st.QuantizationBitLength=value;
else if (!strcmp(key,"Amplitude")) st.Amplitude=value;
}
printf("ToneFrequency = %d\n", st.ToneFrequency);
printf("Duration = %d\n", st.Duration);
printf("SamplingFrequency = %d\n", st.SamplingFrequency);
printf("QuantizationBitLength = %d\n", st.QuantizationBitLength);
printf("Amplitude = %d\n", st.Amplitude);
return st;
}
注意 振幅はフルスケールの80%程度にしなさい。
5.wavファイルのパワースペクトルを求める(第8週)
FFT(fast
Fourier
Transform)演算を用いるとサウンドデータのパワースペクトルを求めることが出来る。パワースペクトルとは,音の波形の中にどのような周波数成分
のパワーがどれだけ含まれているかを示す量である。次のプログラムは,ファイルfftfunc.cとファイルfftfunc.hとともに,生成した時間領
域データ(音の周波数=1200Hz,サンプリング周波数=8000Hz)の周波数分析を行ない,パワースペクトルを求めるプログラムである。ただ
し,FFTを用いたパワースペクトルの計算は,関数calcPowerspectrum()内に隠されているので,興味があったら内部を読んでみるとよ
い。実行すると時間領域の波形とパワースペクトルがそれぞれファイルtimedomain.txtとpowerspectrum.txtとして出力される
ので,読んで考察しなさい。
(cのソースファイルfftfunc.c ヘッダーファイルfftfunc.h)
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
#include <math.h>
#include "fftfunc.h"
#define SIZE 512
int main()
{
double timedomaindata[SIZE];/*時間領域波形格納領域*/
powerspec_t power[SIZE/2+1];/*パワースペクトル格納領域*/
long int SamplingFrequency=8000;/*サンプリング周波数*/
int ToneFrequency=1200;/*音の周波数*/
FILE *fp;
int i;
/*時間領域波形の生成*/
for (i=0;i<SIZE;i++) {
timedomaindata[i]=30000.*sin(2*3.14159265*ToneFrequency*i/SamplingFrequency);
}
/*パワースペクトルの計算*/
calcPowerspectrum(timedomaindata,SIZE,SamplingFrequency,power);/*時間領域波形の出力*/
if ((fp=fopen("timedomain.txt","w"))==NULL) {
printf("can't open text file\n");exit(1);
}
for (i=0;i<SIZE;i++) {
fprintf(fp,"%15lf%20lf\n",(double)i/SamplingFrequency,timedomaindata[i]);
}
fclose(fp);
/*パワースペクトルの出力*/
if ((fp=fopen("powerspectrum.txt","w"))==NULL) {
printf("can't open text file\n");exit(1);
}
for (i=0;i<SIZE/2+1;i++) {
fprintf(fp,"%5d, %20lf\n",power[i].frequency,power[i].power);
}
fclose(fp);
return 0;
}
課題 6
wavファイルを読んで,ファイル先頭の512個のデータのパワースペクトルを求めるプログラムcalculatePowerspectrum.cを作りなさい。実行時には課題5で作成したwavファイルを用いなさい。
提出はファイル名calculatePowerspectrum.txtとし,書式はこれまでと同様にしなさい。
6.DTMFのwavファイルの生成(第9週,第10週,第11週)
DTMF
とは、Dual
Tone Multiple Frequency
の略で、プッシュホン電話機が電話局に電話番号を送る時に使う、ピポパ音のことです。1つのキャラクタ(プッシュホン電話機の1つのボタン)に対応する音
は,2つの周波数の正弦波音の和になっています。例えばキャラクタ「1」の時は周波数697Hzと1209Hzの2つの正弦波音の和になっています。
(697Hzと1209Hzの2つの正弦波音を同時に発生する)DTMFの信号と表現するキャラクタは次のように対応しています。
表6.1 NTTのDTMF
周波数 1209 1336 1477 697 1 2 3 770 4 5 6 852 7 8 9 941 * 0 #
課題 7表6.2 欧米のDTMF
周波数 1209 1336 1477 1633 697 1 2 3 A 770 4 5 6 B 852 7 8 9 C 941 * 0 # D
うまくwavファイルが出来たかどうかは,チェック用プログラムdetectDTMFで確認しなさい。
またチェック用プログラムpowerspectrumで出力ファイルをチェックし,予想した周波数のパワー値が大きいことを確認しなさい。
(unix版detectDTMF windows版detectDTMF.exe)
(unix版powerspectrum windows版powerspectrum.exe)
(2)複数キャラクタの信号wavファイル(設定値およびキャラクタ列はテキストファイルで与えられる)を生成するプログラムmakeDTMF2.cを作りなさい。
設定用テキストファイルの内容例は次のとおりである。
設定用テキストファイルの内容
//コメントはこのように書く
//makeDTMF2.exe用データファイル
SamplingFrequency 8000 //[Hz] 8000,11025,22050,44100のどれか
QuantizationBitLength 8 //[bit] 8 or 16
Amplitude 30 //[%] 0..100
LeaderDuration 1000 //[msec]前後につけるリーダ部空白長さ
ToneDuration 100 //[msec]DTMF信号継続時間
SilenceDuration 100 //[msec]無信号時間
DTMFData "0426685111" //符号データ
//符号データは「0123456789*#ABCD」中から取り出した複数個のキャラクタで構成される
//電話用のDTMFの規定では
//信号の最小継続時間: 50ms以上
//無信号区間の最小継続時間: 30ms以上この設定テキストファイルにより生成されるDTMF信号のイメージ Leader Duration 最初の無音部 1000msec
Tone Duration 「0」を表す音の長さ 100msec
Silence Duration 信号間無音部 100msec
Tone Duration 「4」を表す音の長さ 100msec
Silence Duration 信号間無音部 100msec
Tone Duration 「2」を表す音の長さ 100msec
:途中省略 :
Silence Duration 信号間無音部 100msec
Tone Duration 「1」を表す音の長さ 100msec
Leader Duration 最後の無音部 1000msec
設定用テキストファイルの名前(たとえばsetting.txt),出力されるwavファイルの名前(たとえばdtmf.wav)はコマンドラインから
>makeDTMF2
setting.txt
dtmf.wav
のように入力されるようにする。
うまくwavファイルが出来たかどうかは,チェック用プログラムdetectDTMFで確認しなさい。
(unix版detectDTMFpro windows版detectDTMFpro.exe)
提出ファイル名はmakeDTMF.txtとし,課題(1)(2)の両方を提出しなさい。書式はこれまでと同様にしなさい。
また,(1)の出力ファイルはdtmf1.wav,(2)の出力ファイルはdtmf2.wavとして公開しなさい。
こ
こまで演習が進んでくると,waveファイルの形式に関する手続きの部分を毎回作るのはわずらわしい。よく使う関数群は自分のライブラリとして再利用可能
な形にしておくのがよい。小坂のwaveファイル利用ライブラリと使用例を与えるので,読み下して,気に入った学生は利用しても良い。 copyWave.c wave.c wave.h 説明はwave.hに書いてある。またwave.c,wave.hの別な使い方例として createWave.cとcreateSweepWave.cを公開する。(createWave.cは実は課題5のヒントになっている。)
/*conversion of a dial symbol to DTMF frequencies*/
#include <stdio.h>
#include <string.h>
#include <ctype.h>typedef struct {
double f1; /*周波数1*/
double f2; /*周波数2*/
} DTMFfrequency_t;
/*ダイアル文字を2つの周波数に変換する関数*/
/*入力:ダイアル文字 出力:2つの周波数*/
DTMFfrequency_t convertDialSymbol(char sym)
{
/* DTMF frequency table
Hz 1209 1336 1477 1633
697 1 2 3 A
770 4 5 6 B
852 7 8 9 C
941 * 0 # D
*/
const static char DTMFchar[]="147*2580369#ABCD";
const static int duplexFrequency[][2]= {
{697,1209},{770,1209},{852,1209},{941,1209},
{697,1336},{770,1336},{852,1336},{941,1336},
{697,1477},{770,1477},{852,1477},{941,1477},
{697,1633},{770,1633},{852,1633},{941,1633}
};
int num;
DTMFfrequency_t fr;
sym=toupper(sym);
num=strchr(DTMFchar,sym)-DTMFchar;
if (num<0) {
fr.f1=fr.f2=0;
} else {
fr.f1=duplexFrequency[num][0];
fr.f2=duplexFrequency[num][1];
}
return fr;
}
/*ダイアル文字を2つの周波数に変換する関数*/
/*「*」の替わりに「p」,「#」の替わりに「q」でも動作するように拡張*/
/*入力:ダイアル文字 出力:2つの周波数*/
DTMFfrequency_t convertDialSymbol_ex(char sym)
{
sym=toupper(sym);
if (sym=='P') sym='*';
if (sym=='Q') sym='#';
return convertDialSymbol(sym);
}
/*関数convertDialSymbol_ex()を検査するmain*/
/*文字e,f,gではエラーの確認*/
int main()
{
char myDialSymbol[]="123456789p0qABCDefg*#";
DTMFfrequency_t fr;
int i=0;
char ch;
while (myDialSymbol[i]) {
ch=myDialSymbol[i];
fr=convertDialSymbol_ex(ch);
printf("symbol:%c --> frequencies: %4.0lf, %4.0lf\n",ch,fr.f1,fr.f2);
i++;
}
return 0;
}
/* 実行結果
symbol:1 --> frequencies: 697, 1209
symbol:2 --> frequencies: 697, 1336
symbol:3 --> frequencies: 697, 1477
symbol:4 --> frequencies: 770, 1209
symbol:5 --> frequencies: 770, 1336
symbol:6 --> frequencies: 770, 1477
symbol:7 --> frequencies: 852, 1209
symbol:8 --> frequencies: 852, 1336
symbol:9 --> frequencies: 852, 1477
symbol:p --> frequencies: 941, 1209
symbol:0 --> frequencies: 941, 1336
symbol:q --> frequencies: 941, 1477
symbol:A --> frequencies: 697, 1633
symbol:B --> frequencies: 770, 1633
symbol:C --> frequencies: 852, 1633
symbol:D --> frequencies: 941, 1633
symbol:e --> frequencies: 0, 0
symbol:f --> frequencies: 0, 0
symbol:g --> frequencies: 0, 0
symbol:* --> frequencies: 941, 1209
symbol:# --> frequencies: 941, 1477
*/
7. DTMFのwavファイルの解析(第12週,第13週,第14週)
課題 8
「6」で用いたチェック用detectDTMFは,パワースペクトルの構成を見ながら,どのキャラクタに対するDTMF信号であるかをチェックしている。FFTサイズをどのくらいに設定したらよいか考えながら,自分でdetectDTMFを作りなさい。
解析対象のwaveファイルは次のものを行ない,実行結果にどこのレベルまで対応できたか書きなさい。
難易度 | レベル1(やさしい) | レベル2 | レベル3 | レベル4(難しい) |
特徴 | 純粋DTMF | DTMF+50Hzノイズ | DTMF+ノイズ | 仕様内高速DTMF |
ファイル名 | easy.wav | hard.wav | harder.wav | hardest.wav |
提出ファイル名はdetectDTMF.txtとしなさい。書式はこれまでと同様にしなさい。
8. FIRディジタルフィルタ(第15週)
あるwavファイル(例えばinput.wav)のデータから新しいwavファイル(例えばoutput.wav)のデータを次のように生成することを考えよう。
次の作業をwavファイルinput.wav内のサンプルデータの個数回繰り返す{
input.wavから1サンプルデータ読み出し,xとする。
「y=func(x)」を計算する
yをoutput.wavに書き出す
}
ただし関数はdouble
func(double x)であり,例えばこの関数が
double func(double
x)
{
static double x3=0;
static
double x2=0;
static double x1=0;
static double x0=0;
double y;
x3=x2;x2=x1;x1=x0;x0=x;
y=0.25*x0+0.25*x1+0.25*x2+0.25*x3;
return
y;
}
ならば,この関数は,言葉で表すと「出力値は,入力値および過去3回の入力値の平均値である」あるいは「「出力値
は,現在を含む4回の連続した入力値の平均値である」となる。static宣言された変数は最初の1回目の関数呼び出し時にだけ初期化(この例では0が代
入される)され,2回目以降の関数呼び出し時は,前回の呼び出し時の終了時の値を保っている。
さて,入力された変数を格納する変数をx0,x1,x2,x3としたが,配列にすることが出来る。また,各変数にかける値がこの例ではすべて0.25であったが一般的にはこれも配列とすることが出来る。
この関数をかきなおすと,次のようになる。
double func(double x)
{
static double
xb[4]={0,0,0,0};
static double
w[4]={0.25,0.25,0.25,0.25};
double
y;
int i;
for (i=3; 0<i; i--)
{
xb[i]=xb[i-1];
}
xb[0]=x;
y=0.0;
for (i=0; i<4;
i++) {
y+=w[i]*xb[i];
}
return
y;
}
この関数はディジタルフィルタと呼ばれるれ,出力値は,現在以前のN個の入力値の一次結合となっている。w[n]は重み係数(タップ係数)と呼ばれ,すべての要素が同じ値とは限らない。
課題9 wavファイルを読み込み,エコーをつけたwavファイルに変換するプログラムaddEcho.cを作りなさい。
ここで使用するディジタルフィルタの係数は全長2400とし,800番目の係数w[799]=0.6,1600番目の係数w[1599]=0.3,2400番目の係数w[2399]=0.1とし,その他の係数はすべて0.0として作りなさい。
データのシフト量が多くなったので,xbにリングバッファ(配列だが,先頭とお尻が連続している)の利用を検討しなさい。実行時のデータはreadytoprint.wavを用いなさい。
提出ファイル名はdigitalFilter.txtおよびエコーのついたwaveファイルはechoed.wavとしなさい。書式はこれまでと同様にしなさい。
おまけ
ソースファイル
waveファイルを扱うときに有用な関数群 | wave.c |
wave.cの関数群のヘッダ 関数の使い方の説明がある |
wave.h |
waveファイルのコピープログラム wave.c,wave.hとともに使う。 wave.c中の関数の利用例として提示 |
copyWave.c |
単一周波数正弦波音のwaveファイルの生成プログラム wave.c,wave.hとともに使う。 wave.c中の関数の利用例として提示 |
createWave.c |
音程が次第に高くなる正弦波音のwaveファイルの生成プログラム wave.c,wave.hとともに使う。 wave.c中の関数の利用例として提示 |
createSweepWave.c |
実行ファイル
プログラム | 実行環境SUN・UNIX | 実行環境Windowsのコマンドプロンプト |
waveファイルのヘッダ情報の表示 | extractInfo | extractInfo.exe |
waveファイルの正当性を検査する これで提出するwaveファイルをチェックすること |
checkwav | checkwav.exe |
waveファイルの先頭部分のパワースペクトルの計算 | powerspectrum | powerspectrum.exe |
DTMF信号を含むwaveファイルの生成 課題7(2)と同じ動作をします |
makeDTMF2 | makeDTMF2.exe |
waveファイル中のDTMF信号の検出と復号 | detectDTMFpro | detectDTMFpro.exe |
ディジタルフィルタでwaveファイルにエコーをつける | addEcho | addEcho.exe |
waveファイル
内容 | waveファイル名 |
"Good morning" | hello.wav |
"印刷できます" | readytoprint.wav |
Windowsのlzh waveToyBox.lzh