2022.12.15 Coskx Lab
PWM周期を1msecとし,2つの駆動方式でモータを駆動し,デューティ比を変化させて,電流観察します。
pwm周期1msecは測定対象の電気的時定数に対して10倍の大きさです。
通電・絶縁駆動方式では,正転通電と絶縁をPWM周期で繰り返します。
モータ軸を強制固定しないと軸が回転し,逆起電力が発生します。出来るだけ純粋な状態を測定したいので,モータ軸を回転しないように強制固定しました。
PWM周期1msecデューティ比50%で0.5msecのパルスがあります。パルス高は1.3Vなので正転駆動区間では1.3Aの電流が流れていることがわかります。
パルスの立ち上がりでは,インダクタンスの作用で,電流の立ち上がりがなまっているのがわかります。
パルスの立下りでは,絶縁状態になるのでなまりはありません。
モータ軸が回転し,逆起電力が発生します。
PWM周期1msecデューティ比50%で0.5msecのパルスがあります。パルス高は0.5Vなので正転駆動区間では0.5Aの電流が流れていることがわかります。
発生している逆起電力は強制固定時の1.3Vとの差である0.8V程度となります。
(逆起電力による発生電圧は回転数に比例します。)
停止(フリー)区間では,当然ですが電流はOFFになっています。
なお,パルスのギザギザは,DCモータ回転中のブラシの切替の影響と思われます。
PWM周期1msecデューティ比25%で0.25msecのパルスがあります。
パルスの立ち上がりでは,インダクタンスの作用で,電流の立ち上がりがなまっているのがわかります。
PWM周期1msecデューティ比25%で0.25msecのパルスがあります。
逆起電力の影響でパルスのピークが強制固定時よりも低くなっているのがわかります。
モータ軸は固定していませんが,回転を始めることができない状態です。
PWM周期1msecデューティ比10%で0.1msecのパルスがあります。
パルスのピークは立ち上がりきる前に立ち下がってしまっています。
通電・ショート駆動方式では,正転通電とショートをPWM周期で繰り返します。
PWM周期1msecデューティ比50%で0.5msecのパルスがあります。
パルス高は立ち上がり切る前に立ち下がってしまい,0Vまで落ちる前に再び立ち上がっています。
パルスの最大高さは1.4Vです。
モータ軸が回転し,逆起電力が発生します。
PWM周期1msecデューティ比50%で0.5msecのパルスがあります。
逆起電力の影響で,「3.1」の波形を1.1V下げた波形になっています。
(1.1Vの逆起電力が発生している。)
PWM周期1msecデューティ比25%で0.25msecのパルスがあります。
パルス高は立ち上がりきる前に立ち下がってしまい,0Vまで落ちてから再び立ち上がっています。
「3.1」と異なり0Vまでたどり着いたのは,ショート駆動区間が長かったせいと考えられます。
パルスの最大高さは1.2Vです。
モータ軸が回転し,逆起電力が発生します。
PWM周期1msecデューティ比25%で0.25msecのパルスがあります。
逆起電力の影響で,「3.3」の波形を0.3V下げた波形になっています。
(0.3Vの逆起電力が発生している。)
PWM周期1msecデューティ比10%で0.1msecのパルスがあります。
パルス高は立ち上がりきる前に立ち下がってしまい,0Vまで落ちてから再び立ち上がっています。
パルスの最大高さは0.8Vです。
モータ軸が回転し,逆起電力が発生します。
PWM周期1msecデューティ比10%で0.1msecのパルスがあります。
ゆっくり回転しているので逆起電力は0.1Vほどで「3.5」とほとんど同じ波形になっています。
モータ軸は固定していませんが,回転を始めることができない状態です。
PWM周期1msecデューティ比5%で0.05msecのパルスがあります。
2つのPWM駆動方式でDCモータを駆動したときの,モータを流れる電流の様子を観察しました。
PWM周期は1msecを使用しています。
このPWM周期は,ここで測定しているDCモータ回路の時定数 \(T = 100 \mu sec\) に対して\(10T\) になります。
通電・絶縁駆動方式での駆動において低デューティ比では平均電流が少なくなって,発生トルクが小さく,回転が始められない現象が顕著になりました。(10%で起動できない)