2025.1.16 2020.1.4 Coskx Lab
OpenCV4.10.0 android-sdkのcamera2API対応クラスを使用して,カメラプレビューアプリを作ります。
インストール済とします。
次のところからアンドロイド版をダウンロードします。
https://opencv.org/releases/
(この説明ではカレントのOpenCV 4.10.0を使っていますが,適当に変えて読みかえてください。)
opencv-4.10.0-android-sdk.zip
がダウンロードされるので,解凍すると
OpenCV-android-sdkという名前のディレクトリができます。
この中には
ファイル LICENSE
ファイル README.android
ディレクトリ samples
ディレクトリ sdk
が入っています。
OpenCV-android-sdk を適当な場所に置いてください。
(この説明ではCドライブのルートに置きました。)
Android Studio で新しいprojectを作ります。新しいプロジェクトでカメラプレビューアプリを作ります。
・(ファイルメニュー File -> New ->) New Project --> Empty Views Activity
・New Project の名前は OCVCamera とします。(別の名前でもOK)
・AppおよびOPenCVモジュールでjavaを使用するので,
Language → Java
Build configuration language → Groovy DSL(build.gradle)
とします。
・パッケージ名は「jp.gr.java_conf.coskx.ocvcamera」(この文書での)です。デフォルトのパッケージ名のままでOKです。
パッケージ名はこの後,何回か出てきます。
・他の設定はそのまま -> Finish
ここで,MainActivity.javaを開くと,先頭がpackage名設定行で,ここに書いてあるのがパッケージ名です。
この文書でのパッケージ名は「jp.gr.java_conf.coskx.ocvcamera」です。
この後,何回か使いますので,作業中のパッケージ名をメモを取っておくとよいと思います。
出来上がったプロジェクトはそのまま(メニューバーのRun -> Run'App' を選び)実行すると,「Hello world!」を表示するアプリが実行されます。
OpenCVのライブラリをモジュールとして取り込む作業では,C:\OpenCV-android-sdk\sdkを取り込みます。
(1)android studio メニューバーのFile -> `New -> Import Module を選ぶ。
(2)Source directory に,C:\OpenCV-android-sdk\sdk を指定し,OK。
ここでModule nameボックスが現れるので,Module nameをsdkからOpenCVに変更します。
(実際にはバージョン番号まで入れると後から,都合がよいです。)
変更しなかった時には,この後もモジュール名は「sdk」のままになります。
ここで次のエラーが表示されるでしょう。
Build file '.......AndroidStudioProjects\OCVpreview\OpenCV\build.gradle' line: 93
A problem occurred evaluating project ':OpenCV'.
> Plugin with id 'kotlin-android' not found.
そしてそのエラーの生じているファイル(OpenCV\build.gradle,あるいはbuild.gradle(:OpenCV))も自動的に開かれます。次のように対処します。
(A) kotlinは使用しないとき
Gradle Script/build.gradle(Module OpenCV)の
apply plugin: 'com.android.library'
apply plugin: 'maven-publish'
apply plugin: 'kotlin-android'
を
apply plugin: 'com.android.library'
apply plugin: 'maven-publish'
//apply plugin: 'kotlin-android'
のようにコメントアウトしておきます。
(B) kotlinを使用するとき
Gradle Script/build.gradle(Project)の
buildscript {
中の
dependencies {
の中に
classpath "org.jetbrains.kotlin:kotlin-gradle-plugin:1.5.31"
を加えます。(バージョンは最新の番号にしてください)
なお,この段階で,作業中のファイル(OpenCV\build.gradle,あるいはbuild.gradle(:OpenCV))内の compileSdkVersion targetSdkVersion などを新しい記述に変更し, 値も適当なバージョン(2025.1.16時点では35)に変更しておくと良いと思います。
compileSdkVersion 31 → compileSdk 35
minSdkVersion 21 → minSdk 24
targetSdkVersion 31 → targetSdk 35
さらに下にある
compileOptions {
sourceCompatibility JavaVersion.VERSION_1_8
targetCompatibility JavaVersion.VERSION_1_8
}
を
compileOptions {
sourceCompatibility JavaVersion.VERSION_11
targetCompatibility JavaVersion.VERSION_11
}
にします。
右上の青い字のTry Again でやり直します。
targetSdk 35 のところに警告が出ますが,そのままにしておきます。
ここでの説明用画面の表示が古いままのものですが,似ているので読み替えてください。
プロジェクトOCVCameraがOpenCVのモジュールを使うこと(に依存していること)を設定します。ただし,OpenCVのモジュール名は「OpenCV」となっています。
(1)メニューバーのFile -> Project Structure を選ぶ。
(2)左側のDependenciesを選び,Modulesでapp を選ぶ。
(この段階ではModule appのDeclared Dependencies中にモジュール「OpenCV」は無い)
(3)Declared Dependencies の+-と書いてあるところで,+(add) をクリックし、3: Module dependenciy を選ぶ。
(4)Add Module Dependenciesダイアログで モジュール「OpenCV」にチェックを入れて(選らんで),OK。
Module appのDeclared Dependencies中のapp中にモジュール「OpenCV」が増えている。
(プロジェクトOCVCameraのappがモジュール「OpenCV」を使うことが設定された。)
(5)OK。
(Syncが終了するまで待つ 黄色の帯にTry Againが表示されたらそれをクリック)
Gradle Script/build.gradle(Module.app)のDependencies内に
implementation project(':OpenCV')
が追加されていればOK。
Android Studio左側project中にapp, OpenCVが並んで表示されたらOK
★ 実は,上記の(1)から(5)の作業は,
Gradle Script/build.gradle(Module.app)のDependencies内に
implementation project(':OpenCV')
を追加する作業なので,この1行を追加しSyncすれば良いようです。
OCVCameraのProjectでは次の3点を編集します。
app/manifests/AndroidManifast.xmlにおいて,カメラを使うことを宣言します。次のように6行追加になります。
Res/Layout/activity_main.xmlを編集します。
「Hello World!」を表示するような画面設定(Textview)を消して,camera2APIを使用したJavaCamera2Viewのカメラビューを表示する設定に直します。
ここで,layoutの設定にactivity_main.xmlという名前のファイルを使っています。
その中の表示領域のIDとしてcamera_viewという名前を使いました。
この2つの名前を後でMainActivity.javaの編集で使います。
(app:camera_id="back" のところを app:camera_id="front" と変更すると,スクリーン側のカメラが使えます。)
(1) onCreate()中でlayoutのIDの記述の整合性を取る。(layout/activity_main.xmlへの依存)
(2) onCreate()中でOpenCVをロードする。
(3) パーミッションを取得し,mOpenCvCameraViewに取得を知らせる。
onStart()中でパーミッションを確認
ここまでで,buildすると,とりあえず動作するはずです。
プレビュー表示が,スマホなどのデバイスの画面を有効に使っていない(画面に比べて狭い)と感じたら,
もう少し広くすることができます。
public void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
:
}
の最後の行は
mOpenCvCameraView.setCvCameraViewListener(this);
ですが,その直後に
//requesting preview size option (maxWidth > maxHeight)
mOpenCvCameraView.setMaxFrameSize(1280, 720);
を加えてみてください。画面サイズを1280x720に近い都合の良いサイズで表示してくれます。
あまり大きな値にするとfps(表示速度)が遅くなります。
何度もMake ProjectやRebuild Projectを行っても,"org.opencv.BuildConfig" が見つからないというエラーが出ているときは
Gradle Scripts/gradle.properties(Project Properties)を開いて最下行付近を見てください。
もし
android.defaults.buildfeatures.buildconfig=true
の行が無かったら,付け加えてください。
onCameraFrame() はカメラが1フレーム取得するたびに呼ばれる関数です。
引数(inputFrame)にカメラからの入力フレーム画像が入り,戻り値で表示したいMatを戻します。
Mat mMatを用意して,初期化と廃棄をするようにして,関数onCameraFrame()を次のように変更すると,ネガポジ反転で表示します。
複数の表示方法の中から1つだけ選ぶことができます。
カラー画像 | グレースケール画像 |
カラー画像リバース | グレースケール画像リバース |
グレースケール画像Cannyフィルタ | グレースケール画像二値化 |
・Android StudioでOpenCV4.10.0のカメラプレビューテストアプリを作る手順をまとめました。
MainActivityはActivityからextendsされているため,アクションバーなどAppCompatActivityの機能がありません。
必要ならActivityをAppCompatActivityからextendsします。(ただし,横位置の場合表示領域が狭くなります。)
OpenCVのandroid向けライブラリでは,java/org.opencv/androidの中にカメラビュー向けのクラスがあります。
CameraBridgeViewBaseはSurfaceViewを継承していて,カメラのハードウェアに依存しない(デバイスの表示機能)部分を担当しています。
カメラのハードウエアに近い部分は,JavaCameraViewあるいはJavaCamera2Viewが担当していています。
JavaCameraView, JavaCamera2ViewはともにCameraBridgeViewBaseを継承していて,カメラのハードウェアに依存している部分を担当しています。
カメラビューアプリではJavaCameraView, JavaCamera2Viewのうちどちらか片方が使用されます。
JavaCameraViewは古いAPI(hardware.Camera)が使用されていて,Android5.0(Lollipop)以降(APIレベル21以降)では非推奨となっています。
android studioでJavaCameraView.javaをみると,取り消し線だらけになります。)
JavaCamera2ViewはJavaCameraViewと同等の役割を果たしていて,APIレベル21以降でも問題なく使用できるAPI(hardware.camera2)が使われています。