2026.4.17 2023.10.30 Coskx Lab
注意
ボードライブラリ「ESP32 by Espressif Systems Ver3.3.6」ではBLE関連のライブラリが動作不調になりましたが,「ESP32 by Espressif Systems Ver3.3.7」で解消されました。
これによって,標準ライブラリのBLEが舞台裏でNimBLEに変更されています。
20260218
1 はじめに
温度センサBMP280を載せたWi-FiマイコンXIAO ESP32S3からWindowsパソコンに向けてBLE(Bluetooth Low Energy)を使って温度情報を送ります。
Wi-FiマイコンとWindowsパソコン間の通信は無線LAN環境の下ではHTTPでの通信ができますが,無線LAN環境がない場合では,Bluetooth通信が便利です。
XIAO ESP32S3はBLE UART Profileを使って通信します。(Bluetooth Classicではありません。)

BLEコネクション通信では,Central(or Master or Observer)とPeripheral(or Slave or Broadcaster)の間で通信が行われます。
ここでは,WindowsPCをCentral,XIAO-ESP32S3をPeripheralとして使うことにします。
(PeripheralはServer,CentralはClientと説明されることもあります。)
なお,ここで使用するWindowsPCのアプリ"BLE_serial_terminal"は起動の度に,通信相手を探して接続するようになっているため,ペアリングを必要としていません。
(Peripheral側がペアリング・ボンディングを要求する設定になっている場合は,Central側の通信アプリが接続動作の際にCentral側の設定機構がペアリング・ボンディングを行ないます。)
2 使用環境
3 準備
3.1 ArduinoIDE
(1)Arduino IDEのメニューバーから[ファイルFile] -> [環境設定(Preferences)]
Additional board manager URLsに
https://files.seeedstudio.com/arduino/package_seeeduino_boards_index.json
および
https://raw.githubusercontent.com/espressif/arduino-esp32/gh-pages/package_esp32_index.json
を設定してOK
(2)ツール[Tools] > ボード[Board] > Boards Manager
検索boxに「ESP」を入力すると複数のボード候補が出てくるので
esp32 by Espressif Systems
をinstall
(3)ツール[Tools] > ボード[Board]でESP32を探すとXIAO ESP32S3が見つかるので,これを選ぶ。
3.2 XIAO ESP32S3
XIAO ESP32S3の説明書を読んでプログラムの転送方法を確認します。
(USBケーブルでつないで書き込むだけでした。)
4 XIAO ESP32S3と温度センサBMP280の配線
(BLE Uart通信のテストだけならBMP280は使用しないので,ここは読み飛ばしてください)
温度センサBMP280は温度をデジタル値に変換しているので,そのデータをXIAO ESP32S3が読み出します。
XIAO ESP32S3と温度センサBMP280はI2C接続ですので,電源線,GND線の他はSCLとSDAの2本のみで通信できます。
CSBをVCCにつなぐとBMP280はI2C接続になります。(データシートによれば確実にVCCにつなぐべきとなっています)
SDO(シルク印刷は間違えていてSDDとなっている)をVCCにつなぐとBMP280のI2Cアドレスは77になります。GNDにつなぐとBMP280のI2Cアドレスは76になります。Groveライブラリのデフォルトは77なのでVCCにつないでいます。
なおBMP280ではSDA,SCLをpullupせずに動作しています。

XIAO ESP32S3と温度センサBMP280の配線

ブレッドボードには載せないので,XIAO ESP32S3のピンを上向きに付けています。
XIAO ESP32S3と温度センサBMP280
5 XIAO ESP32S3のスケッチコード(Peripheralプログラム)
XIAO ESP32S3のスケッチコードは,centralがAndroidデバイスであってもがiOSデバイスであっても同じものを使っています。
Androidデバイス版の解説
iOSデバイス版の解説
プログラムの概要
central(windowsPCなど)からのリクエストで,PeripheralであるXIAO ESP32S3は,温度センサBMP280の値を取得し,centralに返します。
具体的には,XIAO ESP32S3はcentral(windowsPCなど)から文字列"start"を受け取ったら1秒間隔で温度などのデータをcentralに送信し,文字列"stop"を受け取ったら送信をやめるようにします。
説明
BLE UART通信ですが,やりたいことは,BMP280の値を取得し送信することですので,BLEの煩雑な部分は,クラスHandy_BLE_Uartに任せて舞台裏に隠れてもらいます。
このプログラムでは受信時にやるべきことを記述した関数は,void StringReceptionReport(String str)としました。送られてくるstrが受信した文字列です。
(受信時にやるべきことを記述した関数の名前は別のものでもOKです)
やるべきこととは,「start」「stop」によりブール変数「requested」のtrue falseを切り替えることです。
ESP32S3側が送信するときは,関数transferString()を使います。
#define DEVICENAME "UART-B0"
は自分の名前です。通信相手のwindowsPCなどから見つけてもらう名前です。初期化の時点で決定します。
このプログラムではBLE通信の面倒なところをクラスHandy_BLE_Uartにして別ファイルに書いています。
クラスHandy_BLE_Uartの定義は「Handy_BLE_Uart.h」と「Handy_BLE_Uart.cpp」に書かれています。
ダウンロード,解凍して次のプログラムコードBLE_uart_BMP280.inoと同じフォルダに入れてください。
Handy_BLE_Uartのダウンロード
フォルダBLE_uart_BMP280にプログラムBLE_uart_BMP280.ino,Handy_BLE_Uart.h,Handy_BLE_Uart.cppを入れたところを示します。 そうすると,ArduinoIDEの画面の上部にそれぞれのファイル名が表示されるようになり,クリックするとArduinoIDEでファイルの中を見ることができます。

なお,ペアリング・ボンディングを要求したい場合は,プログラムBLE_uart_BMP280.inoの初期化のときに
bleuart.begin(DEVICENAME, true);
ではなく
bleuart.begin(DEVICENAME, true, 123456);
のように6桁のパスキーを追加します。(パスキーは必ず6桁の数です。)
Arduino IDEでコンパイルするときは,ライブラリ"Grove_-_Barometer_Sensor_BMP280"を予めIDEに追加しておいてください。
BLE_uart_BMP280.inoのプログラムコード
6 WindowsパソコンとXIAO ESP32S3のペアリング
◎このプログラムコードではペアリング作業は不要です。
7 Windowsアプリ"BLE_serial_terminal"の準備
Githubから"BLE_serial_terminal"β版をWindowsPCにダウンロードします。
Github "BLE_serial_terminal"

"BLE_serial_terminal"のアイコン
8 XiaoESP32S3と"BLE_serial_terminal"の通信
先にXiaoESP32S3に電源を与え,立ち上げておきます。

"BMP280が接続されたXIAO ESP32S3(紙のアンテナがついています。)
その後,その後,WindowsPCの"BLE_serial_terminal.exe"を立ち上げるとすぐにBruetoothLEデバイスをスキャンして選択リストに表示します。
ここでは,XiaoESP32S3のプログラムの
#define DEVICENAME "UART-B0"
でつけた名前"UART-B0"が見つかるのでこれをクリックして選択します。
見つからなかったら,ボタン"Scan BLE Dev"をクリックして,にBruetoothLEデバイスを再スキャンします。

BLE_serial_terminal デバイス選択画面
選択したら,ボタンConnectをクリックします。connectedが表示されたら,通信準備完了です。
"Time Stamp"および"Local Echo"のオプションをONにしておくとよいでしょう。
"BLE_serial_terminal"から"start"を送信すると,1秒ごとにデータが送信されてきます。
受信した3つの数値は温度[℃],気圧[hPa],標高[m]を表しています。
"BLE_serial_terminal"から"stop"を送信すると,データ送信が止まります。
"BLE_serial_terminal"から"start"や"stop"を送信するときは,画面上部のテキストボックスに入力してボタンSendをタップします。

BLE_serial_terminal 通信画面
画面上の送受信データのファイルへの保存は,右上のボタン"Save Log"で出来ます。
9 まとめ
マイコンXIAO ESP32S3とWindowsパソコンでBLE Uart通信し,Windowsパソコンからの指令によって温度などのデータをXIAO ESP32S3が送るプログラムを示しました。
XIAO ESP32S3側のプログラムでは,BLE通信の面倒なところは,クラスHandy_BLE_Uartに封入して,データ送信部分に専念したプログラムコードに集中できるようにしました。
この記事ではWindowsパソコンのアプリ"BLE_serial_terminal"を使いました。
AndroidデバイスにもiOSデバイスにも同様なアプリがあり,"BLE_serial_terminal"と同じ使い方ができます。
Androidデバイス版の解説
iOSデバイス版の解説