2021.10.23 Coskx Lab
micro:bitに電源を供給する方法はいくつかあります。それぞれどのように供給するのか,またmicro:bitから超音波センサなどの外部機器への電源供給はどうするのかも見ておきたいと思います。
参考にしたのは次のURLのWeb資料です。
https://tech.microbit.org/hardware/
https://tech.microbit.org/hardware/powersupply/
micro:bitへの電源供給は大きく分けて3通りあります。
(1)USBコネクタを通じての供給
(2)JSTコネクタを通じての供給
(3)エッジコネクタあるいはパッドを通じての供給
USBコネクタからは,PCあるいはモバイルバッテリから供給される5Vの電圧が与えられます。
その5Vの電圧からレギュレータで3.3V電圧を作って,micro:bitボード及びエッジコネクタから外部機器に3.3Vを供給しています。
micro:bit v1では3.3V電圧レギュレータの最大電流は120mAとなっています。
micro:bitボードは無線などを含めて最大で30mAを消費するので,エッジコネクタから取り出せる電流は90mAまでです。
micro:bit v2では3.3V電圧レギュレータの最大電流は300mAとなっています。
micro:bitボードは無線などを含めて最大で90mAを消費するので,エッジコネクタから取り出せる電流は210mAのはずですがWeb資料では190mAまでとなっています。
JSTコネクタからは,電池から供給される電圧が与えられます。
micro:bit v1ではこれがそのままmicro:bitボードおよび,エッジコネクタに供給されています。micro:bitボードは無線などを含めて最大で30mAを消費するので,エッジコネクタから取り出せる電流は電池の最大電流-30mAまでです。
micro:bit v2では(回路図情報)レギュレータを通しているので,5Vまでの電源でも大丈夫ようです。3.3V電圧を作って,micro:bitボード及びエッジコネクタから外部機器に3.3Vを供給しています。
ここでも3.3V電圧レギュレータの最大電流は300mAとなっています。
micro:bitボードは無線などを含めて最大で90mAを消費し,エッジコネクタから取り出せる電流は190mAまでです。
もし,3.3V以下の電源が供給されたときは,ほぼその電圧が全体に供給されるようです。
その場合,エッジコネクタから取り出せる電流量は電源に依存します。
(micro:bit本体は2V程度の電圧でも駆動します。)
外部電源3.3Vを使用する場合は,micro:bitボードへは,エッジコネクタあるいはパッドから供給します。
外部電源3.3Vを使用している状態でも,micro:bitボードは無線などを含めて最大で30mA(micro:bit v1),90mA(micro:bit v2)を消費するので,外部機器用の電流は,「外部3.3V電源の出力電流-30mA」または「外部3.3V電源の出力電流-90mA」になります。
注意1 このようにエッジコネクタの3V端子は電源の使い方によって,micro:bitボードから外部に3.3V電源を供給したり,逆に外部電源からmicro:bitボードに3.3V電源を供給したりすることができます。
注意2 外部電源3.3Vを使用するシステムにおいて,PCからプログラムを転送するために,USBケーブルをつなぐと,外部電源3.3VとUSB供給の5Vを同時供給してしまうことになります。しかし,保護ダイオードが付いているので,電流の衝突や逆流はなく,問題なく動作します。
外部電源3.3Vを電池からつくる方法は2つあります。
ひとつは電池3本または4本から3端子レギュレータを使って作る方法です。
もう一つは電池1本または2本から昇圧DCDCコンバータを使って作る方法です。
3端子レギュレータは,高い電圧から,必要とする電圧(ここでは3.3V)」を作ります。必要とする電圧に応じた3端子レギュレータ製品があります。
「目的とする電圧」より2V以上高い電圧を供給しないとうまく動作できない3端子レギュレータもありますが,最近では0.4V以上高ければよいといった低ドロップアウト型の製品もあります。
0.4V低ドロップアウトレギュレータを使えば,3.3Vが必要な場合は3.7以上あれば良いことになります。電池3本は4.5Vですが消耗してくると4V位まで電圧が低下してきますが,それでも3.3Vを作ってくれます。
逆に6V以上の電圧を入力すると,3端子レギュレータが発熱します。(消費電力は熱になります)
3端子レギュレータは必ずコンデンサを挿入して使います。コンデンサがないと不安定になります。コンデンサの種類も大事なので3端子レギュレータのデータシートを参照してください。
次の図は3端子レギュレータLM2940-3.3を使った例です。(3.3Vを作ります。100μF電解コンデンサを使用します。)
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14505/
電解コンデンサは極性があるため,+-を間違えないようにしましょう。
昇圧DCDCコンバータは,低い電圧から,必要とする電圧(ここでは3.3V)」を作ります。必要とする電圧によっていろいろな昇圧DCDCコンバータがあります。
次の図はXCL102を使った秋月電子のAE-XCL102D333CR-Gですが,単に接続するだけです。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-13066/
データシートによれば入力電圧(電池の電圧)が0.9V位まで下がってもよいようですが,実用上は1.3Vくらいまで低下したら電池交換でしょう。
単3電池一本から3.3V,130mAの電流が取り出せるようです。
単3電池1本電池ボックスサイズの3.3V電源を作る → ≫
3端子レギュレータやDCDCコンバータなどは大きな電流を取り出す用途には向いていません。micro:bitに取り付けたセンサ類への電流供給は大丈夫ですが,モータ(モータドライバ)やサーボモータへの電流供給には使ってはいけません。別途専用電源を使います。
micro:bitボードでの消費電流は,30mA・90mAとありましたが,使用状況に依存するので,実際の使用状況で試してみてください。
micro:bitへの電源供給と,電池で作る外部電源を紹介しました。