AKI-H8(HitachiH8/3048)の使い方
マザーボードSWとLEDによるプログラミング

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coskx

0. はじめに

0.1 この文書の構成
この文書は H8/3048のCプログラムをコンパイルする方法,AKI-H8/3048にフラッシュメモリ書き込み(転送)する方法を修得した学習者が,AKI- H8/3048のマザーボードを用いてLEDをつけたりスイッチを取り込んだりするプログラムを学習するための文書です。

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0.2 AKI-H8(HitachiH8/3048)
 AKI-H8/3048(図1)は日立製作所の製品であるマイクロコンピュータH8製品群のH8/3048Fを用いて,秋月電子通商がCPUボード,マザーボードを製作販売している製品の商品名です。
購入して組み立てたばかりの状態では図の黄色部分のみでできています。
(LCD(液晶表示器)がついている場合もあります。)

マザーボード上には次の要素が搭載されています
(1)   フラッシュメモリ(ROM)書き込み回路(CPUカードの裏側に隠れているので見えない)
(2)   12V電源入力,5V出力3端子レギュレータ(12Vから安定した5Vを作るモジュール,図1の右上の黒い素子)
(3)   8ビットスイッチ
(4)   プッシュスイッチ
(5)   LED(発光ダイオード)

AKI-H8/3048でのプログラミングはパソコン上で次のように行ないます。
(1)PC上でプログラムを作成します。
(2)PC上でコンパイルして,実行形式プログラムをH8マイコンに転送します。
(3)H8マイコンを起動します。

もう少し丁寧に説明すると次のようになります。
(1)   PC上でC言語またはアッセンブリ言語でプログラムを開発
(2)   PC上でコンパイル・リンクを行ない実行プログラムファイルを作ります
(3)   PC上でロードモジュールに変換します
(4)   RS232C通信でロードモジュールをH8マイコンに転送(フラッシュメモリに書き込む)します。
(5)   H8マイコン上でプログラムを実行します。


H8-MB.JPG

図1 AKI-H8 マザーボード

1. LEDの点滅のプログラム

図2のLEDが対象となるLEDです。

H8-LED.JPG


H8-LEDD.JPG - 9,332BYTES


左の写真とは上下が逆なので注意

図2 2つのLED

CN3-31,32はここです

1.1    LED点滅プログラム

マザーボード上の2つのLEDを点滅させるプログラムを作ります。
2つのLEDはH8/3048CPUのポート5の第0ビット,第1ビットの端子につけられています。
H8/3048CPUでポートというのは8ビットの出入り口のことです。ポート5には第0ビットから第7ビットまでの8ビットがあります。
ポートがCPUのどのピンに接続されているかはCPU設計者によって決められ,CPUのマニュアルに書いてあります。
またCPUのピンがCPUカードのどのピンに接続されているかは,CPUカードの設計者によって決められ,CPUカードのマニュアルに書いてあります。このWebページの「参考1」に接続一覧が書いてあります。

通常ポートは入出力兼用なので,この例のようにポート5の第0ビット,第1ビットの端子の先にLEDがついている場合は,CPUに対し,この2つのビットは出力に使用することを教えてあげなければなりません。(CPU起動後1回だけ設定しなければなりません。)

参考 電流制限

CPUの出力端子はレベルHの時5V,レベルLの時0Vであり,LED単体の電圧降下が1.5V程度であるため,保護抵抗1.5kΩには3.5Vがかかっていることになります。この抵抗に流れる電流は3.5[V]/1500[Ω] = 0.0023[A] = 2.3[mA]となります。LEDは10mA駆動が標準ですが,1mA駆動でも光らないないわけではありません。一方CPUの端子出力電流は最大2.0mAとされている(H8/3048の仕様)ので,AKI-H8はわずかに仕様違反となっています。



1.2    LED点滅プログラムの考え方

(1)マイコン上での駆動の手順

(1) ポート5の下位2ビットを出力に設定
       0:入力  1:出力
       下位2ビット(第0ビットと第1ビット)を出力に設定するには
       2進数表現で00000011,10進数表現(16進表現でも同じ)で3を与えればよい。
(2) ポート5の下位2ビットに0または1を出力してLED点滅を行ないます。
       0:OFF  1:ON
(3) 時間調整して1秒ごとに2つのLEDが交互に点滅するようにします。

(2)具体的なプログラミングの考え方

ポート5の下位2ビットを出力に設定
以下を無限ループ
  ポート5の第0ビットに1を出力
  ポート5の第1ビットに0を出力
  1秒間時間待ち
  ポート5の第0ビットに0を出力
  ポート5の第1ビットに1を出力
  1秒間時間待ち

1.3 LED点滅プログラム


    /*P5の下位2ビットを出力に設定*/
    P5.DDR =  0x3;
    while(1) {/*これは無限ループ*/
        /*LED0をONにする*/
        P5.DR.BIT.B0=1;
        /*LED1をOFFにする*/
        P5.DR.BIT.B1=0;
        msecwait(1000);/*1000msecの間なにもしない*/
        /*LED0をOFFにする*/
        P5.DR.BIT.B0=0;
        /*LED1をONにする*/
        P5.DR.BIT.B1=1;
        msecwait(1000);
    }

参考 この部分は読み飛ばして,後でもう一度読んでください。
(1)ポート5はP5という構造体(構造体学習前なら,家の名前と考えればよい)で表されていると考えられる。
(2)P5 の各ビットを入出力のどちらに使うかの設定はP5.DDRという8ビットのレジスタ(P5家のDDR部屋と考えればよい)に設定する。ここでは下位2ビッ トのみを出力にするので2進数00000011に設定したいのでP5.DDRには3を設定する。もし,第2,第3ビットのみを出力にしたいのなら,2進数 00001100を設定すればよいので,P5.DDRには16進数で0xc(10進数では8+4=12)を設定する。またもし第0ビットと第3ビットのみ を出力にしたいのなら,2進数00001001を設定すればよいので,P5.DDRには9を設定する。別のポートも同様な記述を行なうことができる。例え ばポート1の8ビットすべてを出力に設定したいのなら,2進数11111111に設定すればよいのでP1.DDR=0xffのように設定する。

(3) ポート5に出力する値はP5.DR(P5家のDR部屋)に出力する。P5.DRはさらに細かい小部屋に分かれており,P5.DR.BIT.B0はポート5 の第0ビットを表す。同様にP5.DR.BIT.B1はポート5の第1ビットを,P5.DR.BIT.B2はポート5の第2ビットを,....のように使 う。ポート5の第2ビットに0を出力したければ,P5.DR.BIT.B2=0,ポート5の第2ビットに1を出力したけれ ば,P5.DR.BIT.B2=1のように使う。この表現は1ビットのみを表すため,代入できる値は0または1のみである。またP5.DR.BYTEの表 現では8ビットまとめて出力が可能である。例えばポート5の第2ビットに1を,その他のビットには0を出力したければ,00000100を出力することに なるので,P5.DR.BYTE=4のように表現できる。(ポート1の第0から第3ビットに1を,その他のビットには0を出力したけれ ば,00001111を出力することになるので,P1.DR.BYTE=0xf)

P5はDDRとDRの2つの8ビットのレジスタで構成されている
さらにDRはBYTEとBITの2つの方法で書き込みが可能である。

参考図 レジスタP5の構造

さらに詳細な説明 

勘どころ

ポート5のbit0とbit1にLEDをつけたのはマザーボードの設計者が決めたことなので,
回路がそのようにできている。
すでに取り付けられているLEDを別のポートを介して
点滅させることは,ソフトウェア
の変更だけではできない。
別のポートを介してLEDを点滅させるには,そのポートがどの端子とつながっている
のか調べて,マザーボードの設計変更が必要になる。

 

1.4 実際のプログラム

led1st.c

/*  msecwait関数で1秒ごとのLEDのON-OFFを行う  */
#include <3048f.h>

void msecwait(int msec)
/*msec間なにもしない時間稼ぎ関数*/
{
    int i,j;
    for (i=0;i<msec;i++) {
        for (j=0;j<2646;j++);    /*2646は実測によって求めた値*/
    }
}

main()
{
    /*P5の下位2ビットを出力に設定*/
    /* P5のDDRの下位2ビットに1を与えるとこの設定になる*/
    /*DDRとはDataDirectionRegister(データ方向設定レジスタ)*/
    P5.DDR =  0x3;     /*0x3 = 00000011(二進数)*/
    while(1) {/*これは無限ループ*/
        /*LED0をONにする  P5のDRの第0ビットを1にする*/
        /*DRとはDataRegister(データレジスタ)*/
        P5.DR.BIT.B0=1;
        /*LED1をOFFにする  P5のDRの第1ビットを0にする*/
        P5.DR.BIT.B1=0;
        msecwait(1000);/*1000msecの間なにもしない*/
        /*LED0をOFFにする  P5のDRの第0ビットを0にする*/
        P5.DR.BIT.B0=0;
        /*LED1をONにする  P5のDRの第1ビットを1にする*/
        P5.DR.BIT.B1=1;
        msecwait(1000);
    }
}


1.5 実際のプログラム(「h8_3048.h」の利用)

 実用プログラムでは,ポートの記述はできるだけ隠すようにしています。h8_3048.hはマザー ボード上のハードウェア操作のプログラミングを関数呼び出しで行なえるようにしたものです。関数呼び出しを利用すると,どこのポートのどのビットをどうす るということを考えずに済み,専用コマンドを使うような感覚でプログラミングでき,便利です。
もう1つ重要なことがあります。将来別のCPUを使うことになって,このプログラムを移植することになった場合を想定しよう。全体の動作を記述するプログラムと,CPUのハードウェアを操作するプログラムを分離することにより,移植性が高くなることが想像できるでしょう。
関数の定義はh8_3048.h中にあります。本Webページの末尾に「h8_3048.h」がありますが,その先頭部分には関数の説明があるので読んでください。

led2nd.c

#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

void msecwait(int msec)
{
    int i,j;
    for (i=0;i<msec;i++) {
        for (j=0;j<2646;j++);    /*2646は実測によって求めた値*/
    }
}

main()
{
    initLed();  /*LED初期化*/
    while(1) {
        turnOnLed(0); /*LED0のON*/
        turnOffLed(1); /*LED1のOFF*/
        msecwait(1000);
        turnOffLed(0); /*LED0のOFF*/
        turnOnLed(1); /*LED1のON*/
        msecwait(1000);
    }
}

練習問題 led2nd.cを元にして次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧
の中ファイル名で提出しなさい)

(1)周期1秒,デューティ比50%で両方のLEDが同時に点滅するプログラム(mp1ex01.txt)
  ただし,周期とは点灯開始時刻から次の点灯開始時刻までの時間のことであり,
  デューティ比とは1周期中の点灯時間の割合のことである。例えば周期8秒の点滅で,
  点灯時間が2秒だった場合はデューティ比25%である。
(2)周期0.5秒,デューティ比50%で左右のLEDが交互に点滅するプログラム
  (0.5秒ごとにではないことに注意)  (mp1ex02.txt)
(3)0.5秒ごとに2つのLEDが次のような4つの点滅パターンを繰り返すプログラム
   (○は消灯,●は点灯を示す)
   ○○,○●,●○,●●
      (mp1ex03.txt)
(4)0.5秒ごとに点灯状態が変化し,次の点滅パターンを繰り返すプログラム
  LED0を2回点滅の後LED1を2回点滅
     (mp1ex04.txt)
(5)0.5秒ごとに点灯状態が変化し,次の点滅パターンを繰り返すプログラム
  左側2回点滅→右側2回点滅→左側1回点滅→右側1回点滅
  (mp1ex05.txt)
(6)10秒周期で両方のLEDが同時に点滅するプログラムをつくり動作させなさい。
  動作中にアナログテスタを使って,CN3の31,32の電圧を測定しなさい。
  測定に当たっては本文書参考1のピン配置よりGNDを基準としなさい。
  (CN3の1,2がGND(グランド))
  (mp1ex06.txt)

 
電圧計の使い方
 

練習問題 次の作業を行ないなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)「led2nd.c」で「#include "h8_3048.h"」を消去し,h8_3048.h中にある関数initLed(),turnOnLed(),
  turnOffLed()を自分のプログラム中にコピー&ペーストし,他にも必要なものを記述して動作を確認し,提出しなさい。
  #include "ファイル名" とは,#includeが記述された位置に,そのファイルの内容が書かれていると解釈して
  コンパイルしなさいという意味である。
  考察に次のことを記述しなさい。
  h8_3048.h中にある関数initLed(),turnOnLed(),turnOffLed()について説明しなさい。
  なおH8/3048ハードウェアマニュアルの関連する説明を抜き出しなさい。(9.6 ポート5,モード7参照)
  
http://tnct20.tokyo-ct.ac.jp/~kosaka/for_students/H8/j602093_h83048.pdf
  (mp1ex07.txt)
(2)ポート5のbit0,bit1,bit2,bit3に保護抵抗付きのLEDが接続されているとします。
  次のような設計仕様の場合のLED初期化関数initLed4()とturnOnLed4(),turnOffLed4()を作りなさい。
  void initLed4(void) LED初期化関数
  void turnOnLed4(int number) LEDを点灯させる関数。
    ただし,引数は0,1,2,3を取り,LED0,1,2,3をそれぞれ個別に点灯させます。
  void turnOffLed4(int number) LEDを消灯させる関数。
    ただし,引数は0,1,2,3を取り,LED0,1,2,3をそれぞれ個別に消灯させます。
  4つのLEDについて0.5秒ごとに0,1,2,3番LEDが順に点灯し消灯する(点灯時間は0.5秒)
  プログラムを作りなさい。最初の2つしか見えないけれど,動作させてチェックしなさい。
  (mp1ex08.txt)
(3)「(2)」で作成した関数を使って,ポート5のbit0,bit1,bit2,bit3に保護抵抗付きのLEDがついていると仮定して,
  10秒周期で4つのLEDが同時に点滅するプログラムをつくり動作させなさい。
  動作中にアナログテスタを使って,このプログラムが4つのビットを駆動していることを検証しなさい。
  (ヒントCN3のどこか)
  (mp1ex09.txt)


 
 
1.6  LEDのPWM駆動

LEDを高速にON-OFFを繰返し,ONになっている時間と周期との比(デューティ比)を変化させると,人間の目には点滅は見えず,デューティ比に応じて明るさが変化しているように見えます。
このような高速ON-OFFスイッチングで出力を制御する方法は「パルス幅変調(PWM)」「Pulse Width Modulation」と呼ばれます。
次のプログラムはLED0を点灯状態に保ち,LED1をPWM駆動します。3秒ごとに,デューティ比を90%,50%,10%と変化させています。

ledpwm.c

/**********************************************************
LEDのPWM(PulseWidthModulation)駆動
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

void msecwait(int msec)
/*msec間なにもしない時間稼ぎ関数*/
{
    int i,j;
    for (i=0;i<msec;i++) {
        for (j=0;j<2646;j++);    /*2646は実測によって求めた値*/
    }
}

main()
{
    int i;
    initLed();  /*LED初期化*/
    turnOnLed(0); /*LED0のON*/
    while(1) {
        for (i=0;i<300;i++) { /*ループ3秒間ループ デューティ比90%*/
            turnOnLed(1); /*LED1のON*/
            msecwait(9);
            turnOffLed(1); /*LED1のOFF*/
            msecwait(1);
        }
        for (i=0;i<300;i++) { /*ループ3秒間ループ デューティ比50%*/
            turnOnLed(1); /*LED1のON*/
            msecwait(5);
            turnOffLed(1); /*LED1のOFF*/
            msecwait(5);
        }
        for (i=0;i<300;i++) { /*ループ3秒間ループ デューティ比10%*/
            turnOnLed(1); /*LED1のON*/
            msecwait(1);
            turnOffLed(1); /*LED1のOFF*/
            msecwait(9);
        }
    }
}

 

次のプログラムは約1秒間隔でLED2が徐々に明るくなる動作を繰り返すプログラムです。
pは0から999まで変化するが,各pの値に対してiの値が0から999まで変化します。
pが10の時は,iが0から9の時LED1はONで10から999まではOFFとなります。すなわちpが10の時LED1がONになっている時間割合は1%程度です。
pが100の時は,iが0から99の時LED1はONで100から999まではOFFとなります。すなわちpが100の時LED1がONになっている時間割合は10%程度です。
pが900の時は,iが0から899の時LED1はONで900から999まではOFFとなります。すなわちpが900の時LED1がONになっている時間割合は90%程度です。
このように時間経過を考えると,LED1がONになっている時間とOFFになっている時間比が変化しています。しかし大変高速にLED1が点滅しているため,人間の目にはLED1の明るさが変化しているように見えます。

ledpwm1.c

/**********************************************************
LEDのPWM(PulseWidthModulation)駆動
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

main()
{
    int p,i;
    initLed();  /*LED初期化*/
    turnOnLed(0); /*LED0のON*/
    while(1) {
        for (p=0;p<1000;p++) {
            for (i=0;i<1000;i++) {
                if (i<p) turnOnLed(1); /*LED1のON*/
                else turnOffLed(1); /*LED1のOFF*/
            }
        }
    }
}

練習問題 次の作業を行ないなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)「ledpwm.c」を参考にして,LED1をPWM駆動します。
  PWM周期を10msecに「保ったまま,4秒ごとに,デューティ比を2%,4%,8%,16%,32%,64%と
  変化させるプログムを作りなさい。
    ヒント 次の関数の使用を検討する

void m4_secwait(int m4_sec)
/*10^-4secで指示する間なにもしない時間稼ぎ関数*/
/*たとえば m4_secwait(15);を呼ぶと1.5msec後にこの関数から戻る*/
{
    int i,j;
    for (i=0;i<m4_sec;i++) {
        for (j=0;j<265;j++);
    }
}

  (mp1ex10.txt)

(2)「ledpwm.c」では高速点滅を眼で確認できなかったと思います。
  LEDをデューティ比50%で駆動し,1周期をどれくらいにすると点滅を眼で確認できてしまうのか,
  境界のを実験により求めなさい。そのためのプログラムを作って確認しなさい。
  (mp1ex11.txt) 
 




2. 8ビットスイッチ

図3の8ビットスイッチの読み取りを行い,LEDを制御します。
8ビットスイッチのSW1がONならLED1をON。SW2がONならLED2をON,SW3がONならLED1・LED2ともにON,それ以外は2つのLEDはOFFにします。
8ビットスイッチはP2の8つのビットすべてにつながっています。

H8-8BITSW.JPG - 46,974BYTES
H8-8BITSWD.JPG - 12,938BYTES

図3 8ビットスイッチ

参考
通常用いられるのは,図3.1の回路である。スイッチがOFFの時CPUの入力ピンには5Vが与え られ,スイッチがONの時CPUの入力ピンには0Vが与えられる。この用途で用いられている抵抗のことをプルアップ抵抗と呼んでいる。通常この抵抗値は 10kΩから100kΩが用いられる。図3.2左はスイッチがOFFであるため,電流は流れず,抵抗で電圧降下が起こらないため,5Vが出力されていると ころを示している。図3.2右はスイッチがONであるため,電流が流れ,抵抗で電圧降下が起こり,0Vが出力されているところを示している。
H8CPU のポート2,4,5では,スイッチのON-OFF状態の取得等に都合の良い仕掛けがある。図3.3に示すように,図3.1のプルアップ抵抗をCPUユニッ トが内蔵しており,プルアップ抵抗を有効にするかどうかをソフトウェアで決めることができるようになっている。このプルアップ抵抗の有効無効を設定するの が,プルアップコントロールレジスタ(PCR)である。
AKI-H8のマザーボードでは,ディップスイッチ(8ビットスイッチ)がポート2の8つ のビットに,プッシュスイッチ(4つ)がポート4の上位4ビットにつながっており,P2.PCRとP4.PCRの対応するビットに1を書き込むことで,プ ルアップ抵抗を有効にして使用することができる。そのため,マザーボード上のこれらのスイッチにはプルアップ抵抗がついていない。
図3.1 スイッチ状態のCPUへの入力 図3.2 プルアップ抵抗の役割 図3.3 H8のプルアップコントロール

外部からのポートのビット入力が5Vの時,CPU内部では1としてとらえ,0Vの時は0としてとらえる。
その結果,ハードウェアの構成に依存して,スイッチの状態ONを0,状態OFFを1として,レジスタに取り込まれることになる。

スイッチの状態 ポートのビット入力端子の電圧 レジスタに取り込まれるビット状態

ON

0V

0

OFF

5V

1

 

2.1 8ビットSWでLED駆動

8ビットスイッチのON-OFFの状態によってLEDのON-OFFを制御するプログラムを作成します。
LED駆動部のみh8_3048.hを用いてプログラムを作ります。
8ビットスイッチの各端子はH8内部でプルアップされる設定なので,スイッチがONになるとポート2の対応するビットは0になります。OFFになると1になります。
「8bitSWの1(ポート2の第0ビット)がONの時では」というのは「if (P2.DR.BIT.B0==0) {」のようになり,
「8bitSWの1(ポート2の第0ビット)がOFFの時では」というのは「if (P2.DR.BIT.B0==1) {」のようになり,
通常の感覚と逆なので注意しなければなりません。

eightsw.c

/**********************************************************
8ビットスイッチによってLEDのON-OFFを行う
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

main()
{
    initLed();
    P2.DDR = 0x00;/*8bitSWのポートを入力に設定*/
    P2.PCR.BYTE = 0xff;/*8bitSWのプルアップ設定*/
    while(1) {
        if (P2.DR.BIT.B0==0) { /*8bitSWの1がONの時*/
            turnOnLed(0);
            turnOnLed(1);
        } else if (P2.DR.BIT.B1==0) { /*8bitSWの2がONの時*/
            turnOnLed(0);
            turnOffLed(1);
        } else if (P2.DR.BIT.B2==0) { /*8bitSWの3がONの時*/
            turnOffLed(0);
            turnOnLed(1);
        } else {
            turnOffLed(0);
            turnOffLed(1);
        }
    }
}

参考 「P2.DDR」 は「P2のDDR」,「P2.PCR.BYTE」は「P2のPCRをバイト単位で見た時のバイトデータ」,「P2.DR.BIT.B0」は「P2のDRを ビットごと指定した時の第0ビット」と読めばよい。「P2.DDR」に指定できる値は0から255(0xff),「P2.PCR.BYTE」に入る値は0 から255(0xff),「P2.DR.BIT.B0」に入る値は0または1である。
この例ではでてこないが,P2.PCR.BIT.B0」は「P2のPCRをビットごと指定した時の第0ビット」と読み,この場合は入る値は0または1となる。


2.2  8ビットSWでLED駆動(「h8_3048.h」の利用)

 
8ビットSWの操作も「h8_3048.h」を利用します。
2.1のようなプログラムでは,スイッチのON-OFFの表現が直観とは異なるので,
関数check8BitSW()を使うのがよいでしょう。

プログラム中でcheck8BitSWはh8_3048.h中に
short int check8BitSW(short int number)
で定義されている8bitsw 0,1,2,3,4,5,6,7の状態を調べる関数で,引数numberは0,1,2,3,4,5,6,or 7をとり,
ONなら1、そうでなかったら0を関数の戻り値として返します。(ポートへの入力を0-1反転して考えている)
この関数のおかげで,「0:OFF,1:ON」という普通の感覚でプログラミングできます。

eightswh.c

/**********************************************************
8ビットスイッチによってLEDのON-OFFを行う
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

main()
{
    initLed();
    init8BitSW();/*8bitSWの初期化*/
    while(1) {
        if (check8BitSW(0)) { /*8bitSWの1がONの時*/
            turnOnLed(0);
            turnOnLed(1);
        } else if (check8BitSW(1)) { /*8bitSWの2がONの時*/
            turnOnLed(0);
            turnOffLed(1);
        } else if (check8BitSW(2)) { /*8bitSWの3がONの時*/
            turnOffLed(0);
            turnOnLed(1);
        } else {
            turnOffLed(0);
            turnOffLed(1);
        }
    }
}

練習問題 eightsw.cを元にして次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)8bitSWの1がOFFの時,0.5秒周期で2つのLEDを同時点滅,
  8bitSWの1がONの時,1秒周期で2つのLEDを同時点滅
  (mp2ex01.txt)  ET
(2)8bitSWのすべてのビットがOFFの時,0.5秒周期で2つのLEDを同時点滅,
  8bitSWの1のみがONの時,1秒周期で2つのLEDを同時点滅,
  8bitSWの2のみがONの時,2秒周期で2つのLEDを同時点滅
  これ以外の組み合わせではすべて消灯
  (mp2ex02.txt)

 

練習問題

(1)8bitスイッチの回路図を見ると,CPUの端子からスイッチを経てGNDに接続されているだけである。
  通常はこの回路ではスイッチの状態を読み取ることができない。
  スイッチを読み取るプログラムの初期化部分の意味(8bitSWのプルアップ設定)とあわせてどうし
  
て可能なのか検討し,説明しなさい。
  なおH8/3048ハードウェアマニュアルの関連する説明を抜き出しなさい。(9.3 ポート2参照)
  また小坂のweb文書「h8CPU_Input.html」も参考にしなさい。
  (mp2ex03.txt)
(2)8bitスイッチで,4つのスイッチをON,残りの4つのスイッチをOFFにしなさい。
  8bitスイッチの初期化をともなうプログラム(例えば「eightswh.c」)を動作させ,アナログテ
  スタを使って,8ビットスイッチのON-OFFの状態が電圧として見えていることを検証しなさい。
  (ヒントCN3のどこか)
  本ページ下部の「参考1 H8ピン配置」を参照しなさい。
  どのように検証したか(テスタの赤黒を何処に触れたのかを含む),どのような結果が得られたか
  表にして報告しなさい。
  (mp2ex04.txt)

8bit
SW
ON/OFF 赤ピンで
触れたところ
黒ピンで
ふれたところ
電圧 port番号 bit番号 ソフトウェア
からみると1か0
   CN3-  CN3-        
2              
3              
4              
5              
6              
7              
8              


(3)次のポートのビットがCN1,CN2,CN3のどこのピンに見えるのかを表にして答えなさい。
  「H8-MB-Pro.html」の「参考1 H8ピン配置」を参照しなさい。
  1)ポート5のbit0からbit3
  2)ポート2のbit0からbit7
  3)ポート1のbit0からbit7
  4)ポート3のbit0からbit7
  5)ポートAのbit0からbit7
  6)ポートBのbit0からbit7
  (mp2ex05.txt)



 

3. プッシュスイッチ

H8-PUSHSW.JPG - 31,142BYTES
H8-PUSHSWD.JPG - 14,425BYTES

図4 プッシュスイッチ

図4のプッシュスイッチの読み取りを行い,LEDを制御します。
プッシュスイッチ1を押すとLED1が点灯し,プッシュスイッチ2を押すとLED2が点灯するプログラムとします。
プッシュスイッチはポート4の第4ビットから第7ビットにつながっています。

 

3.1  PushSWでLED駆動(「h8_3048.h」の利用)

pushsw.c

/**********************************************************
プッシュスイッチによってLEDのON-OFFを行う
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

main()
{
    initLed();
    initPushSW();/*PushSWの初期化*/
    while(1) {
        if (checkPushSW(0)==1) { /*PushSWの1がONの時*/
            turnOnLed(0);
            turnOffLed(1);
        } else if (checkPushSW(1)==1) { /*PushSWの2がONの時*/
            turnOffLed(0);
            turnOnLed(1);
        } else {
            turnOffLed(0);
            turnOffLed(1);
        }
    }
}

練習問題 pushsw.cを元にして次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)すべてのプッシュスイッチがOFFの時,0.5秒周期で2つのLEDを同時点滅,
  プッシュスイッチの1のみがONの時,1秒周期で2つのLEDを交互点滅,
  プッシュスイッチの2のみがONの時,2秒周期で2つのLEDを交互点滅
  それ以外の状態ではすべて消灯
  (mp3ex01.txt)

(2)プッシュスイッチの状態によって2つのLEDの同時PWM駆動を行なう。
  すべてのプッシュスイッチがOFFの時,なにもしない。
  プッシュスイッチの1のみがONの時,デューティー比100%で点灯,
  プッシュスイッチの2のみがONの時,デューティー比50%で点灯,
  プッシュスイッチの3のみがONの時,デューティー比25%で点灯
  それ以外の状態ではすべて消灯
  (ここではまだ割り込みを用いてはならない)
  (mp3ex02.txt)

(3)プッシュスイッチ1を1回押すごとに,LEDの点灯,消灯の切り替えが起こり,
  何回でも繰り返すことができるプログラム。
  正確に言うとプッシュスイッチを押したときには現在の点灯状態はまだ変化せず
  プッシュスイッチから指を離した瞬間に点灯状態が反転するように作りなさい。

  プッシュ  離す ━┓  ┏━━━━┓  ┏━┓  ┏━
  スイッチ  押す  ┗━━┛    ┗━━┛ ┗━━┛ 

  LED   点灯 ━━━━┓       ┏━━━━┓
        消灯     ┗━━━━━━━┛    ┗━

void pushreleaseSW(void)
/*プッシュスイッチが押されるまで待って,*/
/*その後離されるまで待つ関数      */
{
    while (checkPushSW(0)==0);
    while (checkPushSW(0)==1);
}


  注意深く100回ほどプッシュスイッチを押して動作を観察しなさい。
  不安定な動作が起こるかもしれない。「チャタリング」について調べること。
  (mp3ex03.txt)


 
4. 割り込み

通常の関数は,関数がプログラム中の他の関数から呼び出されたときに作業を行ないます。これに対して,割り込み関数は何らかの割り込み要因によって呼び出される関数です。
タイマ割り込み関数は,タイマ割り込み初期設定によって設定された時間間隔で起動する割り込み関数です。「4.1」のプログラムでは,500msのタイマ割り込み初期設定が行なわれ,CPUの割り込み許可がなされ,タイマがスタートした後,プログラムの流れは
while(1);
と なり,何もしない無限ループに突入します。しかし,500ms(0.5秒)ごとにタイマ割り込み関数「interrupt_cfunc()」が起動 し,LEDのON−OFFが継続して行なわれます。変数tickはstatic修飾されているので,関数が呼び出されたときに,前回呼び出しの時の値が 残っています。かつ0が代入されるのははじめの1回だけです。tick=1-tickの演算により,tickの値は0,1を繰り返します。
ロボットの制御には一定時間ごとに起動する定時間割り込み(タイマー割り込み)が良く用いられます。またPWMの生成にもこの定時間割り込みが用いられる場合があります。
関数void msecwait(int msec)を用いた時間管理よりはるかに正確な時間管理ができます。(CPUクロックの精度依存)

4.1  割り込みでLED駆動(インターバルタイマによるタイマ割り込み)

プログラム中main()側で500msec(0.5秒)間隔でタイマ割り込みを設定します。
main()関数内でなにもしないループ動作をしている最中に,割り込み関数interrupt_cfunc()は0.5秒ごとに起動し,LEDのON-OFFを行ないます。
このタイマ割り込みはITUのch0,ch1が使われています。(割り込み周期を1秒近くにするにはITU2段重ねが必要)

割り込みを実現するには次のことが必要になる。
(1)割り込みベクトルの設定(割り込みが発生した時に起動すべき関数のアドレスを所定の領域に書いておく)
(2)割り込み要因となる機能の初期化
(3)CPUの割り込み許可
(4)割り込み関数は割り込み関数として定義され,レジスタの退避復帰,割り込みリターンなどの特殊な作り方が必要

これらの必要事項は次のように記述される。
(1)アセンブラでしか書くことが出来ないのでインラインアセンブリで記述
  (インラインアセンブリ : C言語プログラム中にアセンブリ言語を記述すること)

  タイマ割り込みの関数のアドレスは0x70に書くことになっている。(割り込みベクタテーブル領域)
  アセンブラから見るとCの関数「TimerIntFunc」の名前は「_TimerIntFunc」に見える。
  関数の名前は関数の先頭アドレスを意味する。

#pragma asm
    .SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
    .ORG        H'000070  ;IMIA1
    .DATA.L     _TimerIntFunc
    .SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
#pragma endasm

    ハードウェアマニュアル
    http://tnct20.tokyo-ct.ac.jp/~kosaka/for_students/H8/j602093_h83048.pdf
    において,割り込みベクタテーブルについての記述は4.1.3に記述されている。
    ここで用いているのは,ITUch1を使用したIMIA1という割り込み要因である。

(2)main関数内で記述 (関数の定義はh8_3048.hにある)

    initTimer01Int(500); /*時間割り込み500msec ch0,ch1使用*/
    startTimer01();  /*時間割り込みタイマスタートch0,ch1*/

(3)main関数内で記述

E_INT();        /*CPU割り込み許可*/

   この関数の本体はアセンブリ言語でないと書けないので,スタートアップルーチンのソースの後ろに
   ついている。次の説明を参照のこと
   h8startup2.html
   

(4)割り込み関数独特の宣言を行なう TimerIntFuncは割り込み関数名

#pragma interrupt (TimerIntFunc)

   この宣言が行われた関数は,プログラム内から関数呼び出ししてはいけない。

int1st.c

/**********************************************************
時間割り込みによってLEDのON-OFFを行う
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"
#define clearTimer1Flag() (ITU1.TSR.BIT.IMFA=0)

main()
{
    initLed();
    initTimer01Int(500); /*時間割り込み500msec ch0,ch1使用*/
    E_INT();        /*CPU割り込み許可*/
    startTimer01();  /*時間割り込みタイマスタートch0,ch1*/
    while(1);       /*なにもしないループ*/
}

#pragma asm
    .SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
    .ORG        H'000070  ;IMIA1
    .DATA.L     _TimerIntFunc
    .SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
#pragma endasm

#pragma interrupt (TimerIntFunc)
void TimerIntFunc() /*タイマ割り込みルーチン*/
{
    static int tick=0;
    clearTimer1Flag();  /*タイマステータスフラグのクリア 忘れないこと*/
    if (tick==1) {
        turnOnLed(0);
        turnOffLed(1);
    } else {
        turnOffLed(0);
        turnOnLed(1);
    }
    tick=1-tick;
}

ここではアセンブリ言語には踏み込まないが簡単に解説
(深入りはしない。後にアセンブリ言語を学んだ後に読み返せばよい)

#pragma asm
  ここの間はアセンブリ言語による記述ですという意味
#pragma endasm

.SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
   MYVECという名前のセクションを0x70番地から始める

.ORG        H'000070  ;IMIA1
   0x70からこれ以降の内容を配置

.DATA.L     _TimerIntFunc
   関数TimerIntFuncの先頭アドレスをここに書く
   DATA.L というのは,32ビット幅のデータの意味

.SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
   これ以降はCODEというセクションの続きになるの意味

アセンブリ言語の記述スタイルについて
プログラムの内容は行の先頭にいくつかのスペースまたはタブの後ろに書く。
「;」以降はコメントとみなされる。

勘どころ

ITU1の割り込みベクタ(割り込み関数の先頭番地)が0x70であることは,CPUの設計者が決めたことなので,
プログラム作成者が変更することはできない。
割り込み関数の名前は,プログラム作成者が決めることができる。

練習問題 int1st.cを元にして次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)int1st.cを元にして割り込み周期を1秒ごとにするプログラムに変更しなさい。
  (mp4ex01.txt)
(2)initTimer1Int()を用いて1秒周期のLED点滅を行なうプログラムを作りなさい。
  (引数がマイクロ秒であること,
引数にはshort int型が用いられていることに注意)
  ヒント:間引き(割り込み関数が起動しても何回かに一回しかLEDを操作しないようにすればよい)
         initTimer1Int()関数の定義はh8_3048.hにある。
         initTimer01Int(),startTimer01()はmsec単位の割り込み間隔動作
         initTimer1Int(),startTimer1()はμsec単位の割り込み間隔動作,最長でも約32msecのタイマ割り込みしかできない。
  (mp4ex02.txt)


4.2  割り込みでLED駆動

割り込みを用いたPWM駆動でLEDの制御を行ないます。
このプログラムではITUのch1のみを用います。
PushSW 1 → LED 0 明るく点灯(10/10)
PushSW 2 → LED 0 暗く点灯(1/10)
PushSW 3 → LED 1 明るく点灯(10/10)
PushSW 4 → LED 1 暗く点灯(1/10)

volatile修飾子は,割り込み関数と通常の関数とで同じグローバル変数を用いるときに使います。
コ ンパイラは通常コードの最適化を行ないます。例えば,変数は通常はメモリ上にあります。ある変数を一度レジスタに読み込んで,その変数の値を変化させてい ない場合は,次にその変数の値が必要になったときには,メモリをもう一度読みに行くようなことはせず,レジスタの値を用います。しかし,その間に割り込み 関数がその変数の値を変化させることもあります。そこでvolatile修飾子をつけた変数にしておくと必ずメモリにある変数を使うコードになります。こ の例の場合は,特に必要がありませんが,おまじないとしてつけておくようにしましょう。

このプログラムではLEDの暗い点灯時では1/10の時間割合で点灯している。LEDの暗い点灯時に5/10の時間割合で点灯するように変更しなさい。この点灯時間の割合は「デューティ比」と呼ばれる。

「h8_3048.h」にある関数initTimer1Int(),startTimer1()はITU1を使ったタイマ割り込みを可能にしている。
ハードウェアマニュアルのITUの基本動作(TCNT(カウンタ)がカウントアップ)を見なさい。
カ ウンタ(TCNT)がカウントアップしてあらかじめ設定した値(GRA)とコンペアマッチ(比較して一致)で割り込みが起こり,カウンタがクリアされ,こ の動作が継続される。カウンタは内部クロック(16MHz)の1/8の2MHz(周期は0.5μsec)で動作している。
このことにより,タイマ割り込みが行われている。

「1」で取り上げた関数msecwait()を使う方法と割り込みを使う方法とでは,時間精度が違う。高精度な時間管理には関数msecwait()を使うべきではない。タイマユニットが使えない場合に使用を検討するのがよい。

int2nd.c

/**********************************************************
プッシュスイッチと時間割り込みによってLEDのPWM制御を行う
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"
#define clearTimer1Flag() (ITU1.TSR.BIT.IMFA=0)

volatile int led0,led1;
const int period=10; /*周期10msec*/
const int low=1;

main()
{
    led0=led1=0;
    initLed();
    initPushSW();
    initTimer1Int(1000); /*タイマ割り込み1msec */
                         /*単位はμsec ITUch1のみ使用*/
    E_INT();        /*CPU割り込み許可*/
    startTimer1();  /*時間割り込みタイマスタート*/
    while(1){
        if (checkPushSW(0)==1) { /*PushSWの1がONの時*/
            led0=period;
        } else if (checkPushSW(1)==1) { /*PushSWの2がONの時*/
            led0=low;
        } else {
            led0=0;
        }
        if (checkPushSW(2)==1) { /*PushSWの3がONの時*/
            led1=period;
        } else if (checkPushSW(3)==1) { /*PushSWの4がONの時*/
            led1=low;
        } else {
            led1=0;
        }
    }
}

#pragma asm
    .SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
    .ORG        H'000070  ;IMIA1
    .DATA.L     _TimerIntFunc
    .SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
#pragma endasm

#pragma interrupt (TimerIntFunc)
void TimerIntFunc() /*タイマ割り込みルーチン*/
{
    static int tick=0;
    clearTimer1Flag();  /*タイマステータスフラグのクリア 忘れないこと*/
    if (tick<led0) {
        turnOnLed(0);
    } else {
        turnOffLed(0);
    }
    if (tick<led1) {
        turnOnLed(1);
    } else {
        turnOffLed(1);
    }
    tick++;
    if (tick==period) tick=0;
}

練習問題 int2nd.cを元にして次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)int1st.cを元にして次の動作をするようにプログラムを変更しなさい。
  PushSWはどれも押されていない → 2つのLEDは暗く点灯(1/10)
  PushSW 1 → LED 0 中間点灯(2/10)  LED 1消灯
  PushSW 2 → LED 0 中間点灯(5/10)  LED 1消灯
  PushSW 1とPushSW 2 → LED 0 明るく点灯(10/10)  LED 1消灯
  PushSW 3 → LED 1 中間点灯(2/10)  LED 0消灯
  PushSW 4 → LED 1 中間点灯(5/10)  LED 0消灯
  PushSW 3とPushSW 4 → LED 1 明るく点灯(10/10)  LED 0消灯
  それ以外の状態ではすべて消灯
  (mp4ex03.txt)

(2)int2nd.cを元にして次の動作をするようにプログラムを変更しなさい。
  ITU2を使った関数initTimer2Int(),startTimer2()を自分のファイルに作り,int2nd.cの必要な
  所を書き換えて,int2nd.cと同じ動作をするようにしなさい。
  割り込み要因が,IMIA1からIMIA2に変わるので,割り込みベクタテーブルは0x70ではなくなる。
  int2nd.cにおいてITU1ではなくITU3を使った例も参照のこと→ 
intITU3.c
  (mp4ex04.txt)

5. パソコンとのシリアル通信

プログラム書き込み用通信回線はそのままプログラム実行時にも使えます。
実行時にはハイパーターミナルを起動しておいて下さい。
サンプルフォルダ中の次に示すアイコンで起動すると,設定済みのハイパーターミナルが起動します。

Async, 8bit, NoParity, stop1 ,38400baud, (Backspace:Ctrl+H, Space, Ctrl+H)で設定されています。

ハイパーターミナルを利用した,ビットスイッチやプッシュスイッチのチェックおよびキーボードとの通信プログラムです。
ビットスイッチやプッシュスイッチのチェックの時はそれぞれのスイッチを動かしてみてください。


パソコン画面への出力(WindowsのHyperTerminal使用)
パソコン(キーボード)からの入力(WindowsのHyperTerminal使用)

sciout.c

/**********************************************************
SCI1へ出力,WINDOWSのHyperTerminalなどで受信できる。
ただし,設定は 38400baud, Async, 8bit , NoParity, stop1
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"

void func1(void)
{
    unsigned char sw,previous;
    SCI1_printf("Printing 8-bitSW status...\n");
    SCI1_printf("Change 8-bitSW and new status will appear.\n");
    SCI1_printf("If any key on the keyboard, this test will quit.\n");
    previous=sw=get8BitSW();
    SCI1_printf("8-bitSW status= %2x[%08b]\n",sw,sw);
    do {
        sw=get8BitSW();
        if (sw!=previous) {
            SCI1_printf("8bitSW status= %2x[%08b]\n",sw,sw);
            previous=sw;
        }
    } while (chkgetCharSCI1()<0);
}


void func2(void)
{
    unsigned char sw,previous;
    SCI1_printf("Printing PushSW status...\n");
    SCI1_printf("Change PushSW and new status will appear.\n");
    SCI1_printf("If any key on the keyboard, this test will quit.\n");
    previous=sw=getPushSW();
    SCI1_printf("PushSW status= %2x[%08b]\n",sw,sw);
    do {
        sw=getPushSW();
        if (sw!=previous) {
            SCI1_printf("PushSW status= %2x[%08b]\n",sw,sw);
            previous=sw;
        }
    } while (chkgetCharSCI1()<0);
}

void func3(void)
{
    int x;
    x=getIntSCI1("Key in a decimal number >>>");
    SCI1_printf("The number you keyed in is %d %x\n",x,x);
    x=getIntSCI1("Key in a hexdecimal number (ex. 0x23ff) >>>");
    SCI1_printf("The number you keyed in is %d %x\n",x,x);
}

main()
{
    int menu;
    initSCI1(); /*SCI-ch1の初期化*/
    initPushSW(); /*押しボタンスイッチの初期化*/
    init8BitSW(); /*8ビットスイッチの初期化*/
    SCI1_printf("Hello. How are you?\n");
    while (1) {
        SCI1_printf("***************menu**********\n");
        SCI1_printf("1:   get 8-bit SW and print \n");
        SCI1_printf("2:   get Push SW and print \n");
        SCI1_printf("3:   get integer from SCI1 and print \n");
        do {
            menu=getCharSCI1(); /*menuには'1','2','3'が入るはず*/
        } while (menu<'1'||'3'<menu);
        SCI1_printf("\n");
        switch (menu) {
        case '1':
            func1();
            break;
        case '2':
            func2();
            break;
        case '3':
            func3();
            break;
        default:
            break;
        }
    }
}

特別な関数の説明 これらの関数はh8_3048.h中に定義されている。
short int getCharSCI1()
 SCI-ch1から1byte入力コードを得て関数の値として返す関数。通信エラーがあると-2が戻る。
 SIC-ch1入力バッファを検査し,データがあれば持ち帰るが,データがない場合はデータが来るまで待ち続け,
 データが来たら,それを持ち帰ってくる
 PCのキーボードが押され,SCI-ch1経由でデータが転送されてくるまで,永久に待つ関数である。
 ANSIの関数getchar()と同じ動作をする

short int chkgetCharSCI1()
 SCI-ch1入力バッファを検査し,受信データがあれば1byte入力コードを得て関数の値として返す関数。
 受信データガなければ-1が,通信エラーがあると-2が戻る。
 SICバッファを検査し,データがあれば持ち帰るが,データがなくても-1をもってすぐに帰ってくる関数である。

int get8BitSW()
 8bitSWの状態をそのまま1バイトの値として読み込む関数。状態(00〜ff)は関数の値として返す。
 ただし,値は反転しており,スイッチの状態がONのビットは1,OFFのビットは0で読み込む。

int getIntSCI1(char prompt[])
 SCI-ch1からプロンプト付で,short intの値を受け取り,関数の値として返す。
 (引数で与えた文字列を表示してから,short intの値を受け取る。)
 正負の10進数または16進数を受け付ける。「0x」で始めまる文字列は16進数として受け取る。

 ●画面への表示をそのままファイル化する方法(テキストキャプチャ)

SCI通信の時PC側の「Enterキー」入力では,文字キーの右側にある大きなenter-keyを使うこと。

enter-keyについて
キーボードには2つのenter-keyがあるが,実は文字コードが異なる。
   文字キーの右側にある大きなenter-key   \r\n (0x0d,0x0a)
   数字キーの右側にある小さなenter-key   \r (0x0d)
である。
\r(0x0d) はコンソール上で文字ポインタを左端に戻すコード

\n(0x0a) はコンソール上で文字ポインタを次の行に進めるコード

練習問題 次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の中ファイル名で提出しなさい)

(1)マイコンのプログラム実行開始後,4つのプッシュスイッチがそれぞれ何回押されたかを
  表示するプログラムを作成しなさい。
  このプログラムは電源がOFFされるまでカウントを続け,絶えず最新のカウントを表示し続
  けるものとします。
  (mp5ex01.txt)
(2)アドレス0x0000から0x01FFまでのメモリを十六進ダンプするプログラムを作りなさい。
  ヒント int型変数ptrに0x1200が入っている時,アドレス0x1200の内容を表示するには
  次のように書くと良い。
  SCI1_printf(" %02x",*(unsigned char *)ptr);
  (mp5ex02.txt)

実行例
memory dump 0x0000-0x01ff
     +0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +A +B +C +D +E +F
0000 00 00 01 00 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0010 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0020 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0030 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0040 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0050 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0060 00 00 0a 24 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0070 00 00 0a 24 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0080 00 00 0a 24 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0090 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
00a0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
00b0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
00c0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
00d0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
00e0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
00f0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0100 7a 07 00 0f ff 10 01 00 6b 20 00 00 0b 8c 01 00
0110 6b 21 00 00 0b 90 01 00 6b 22 00 00 0b 94 01 f0
0120 64 22 5a 00 01 2e 6c 03 68 93 0b 01 1b 72 46 f6
0130 01 00 6b 21 00 00 0b 98 01 00 6b 22 00 00 0b 9c
0140 f3 00 01 f0 64 22 5a 00 01 50 68 93 0b 01 1b 72
0150 46 f8 5e 00 09 90 40 fe ff ff ff ff ff ff ff ff
0160 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0170 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0180 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
0190 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
01a0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
01b0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
01c0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
01d0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
01e0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff
01f0 ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff ff


(3)指定したアドレスから0x100byteをメモリダンプするプログラムを作りなさい。
  ただし指定アドレスは十六進の1の位は0とする。
  何回でも続けるものとする。
  (mp5ex03.txt)

実行例
start address (0xnnnn) =0x400
memory dump 0400-04ff
     +0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +A +B +C +D +E +F
0400 18 88 6e f8 00 32 7a 06 00 00 00 50 0a f6 0b 96
0410 73 0e 47 0e 7a 00 00 00 00 50 0a f0 0b 90 0b 70
0420 40 0a 7a 00 00 00 00 50 0a f0 0b 90 0f 86 7a 00
0430 00 00 00 25 0a f0 01 00 6f f0 00 2a 5a 00 08 64
0440 01 00 6f 70 00 50 68 0c 0c 44 46 44 ac 25 46 36
0450 f4 01 18 55 f8 20 6e f8 00 2f 18 88 6e f8 00 32
0460 6e f8 00 33 01 00 6f 70 00 2a 1b 70 0f 82 0b 70
0470 18 99 68 89 18 dd 18 88 6e f8 00 30 f8 2b 6e f8
0480 00 31 5a 00 08 56 0c c8 5c 00 ff 32 5a 00 08 56
0490 ac 6c 46 06 70 14 5a 00 06 54 ac 30 4d 2c ac 39
04a0 4e 28 0c 55 46 0e ac 30 46 0a f8 30 6e f8 00 2f
04b0 5a 00 06 54 f8 0a 50 50 08 c8 88 d0 0c 85 a8 20
04c0 58 30 01 90 f5 20 5a 00 06 54 ac 2d 46 0a f8 01
04d0 6e f8 00 32 5a 00 06 54 ac 64 46 0c 70 24 f8 0a
04e0 6e f8 00 33 5a 00 06 54 ac 75 46 0a f8 0a 6e f8
04f0 00 33 5a 00 06 54 ac 78 46 0a f8 10 6e f8 00 33
start address (0xnnnn) =0x500
memory dump 0500-05ff
     +0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +A +B +C +D +E +F
0500 5a 00 06 54 ac 58 46 0e f8 10 6e f8 00 33 6e f8
0510 00 30 5a 00 06 54 ac 6f 46 0a f8 08 6e f8 00 33
0520 5a 00 06 54 ac 62 46 0a f8 02 6e f8 00 33 5a 00
0530 06 54 ac 70 46 18 f8 10 6e f8 00 33 6e f8 00 30
0540 f5 08 f8 30 6e f8 00 2f 70 14 5a 00 06 54 ac 63
0550 46 3c 0f e4 0b f4 73 0c 47 06 0f c0 0b 70 40 02
0560 0f c0 0f 86 1b f0 01 00 6f f0 00 26 73 08 47 0a
0570 01 00 6f 71 00 26 1b 71 40 06 01 00 6f 71 00 26
0580 6e 18 00 01 5c 00 fe 36 18 44 5a 00 06 54 ac 73
0590 58 60 00 b8 0c 55 47 7c 18 dd 0f e0 0b 90 01 00
05a0 6f f0 00 26 73 08 47 0a 01 00 6f 70 00 26 0b 70
05b0 40 06 01 00 6f 70 00 26 0f 86 1b 90 0f 84 73 08
05c0 47 06 0f c0 1b 70 40 02 0f c0 01 00 69 02 40 02
05d0 0a 0d 0c d8 17 50 17 70 0f a1 0a 81 68 18 46 f0
05e0 6e 78 00 32 46 10 0c dc 40 08 f8 20 5c 00 fd ce
05f0 0a 0c 1c 5c 45 f4 0f a0 5c 00 fd de 6e 78 00 32
start address (0xnnnn) =


6. 「パソコンとのシリアル通信」,「タイマー割り込み」を用いた時計

「パソコンとのシリアル通信」,「タイマー割り込み」を用いた時計を作ります。

timer.c

/**********************************************************
割り込みを用いた時計 起動時からの経過時間[秒]を
SCI1へ出力,WINDOWSのHyperTerminalなどで受信できる。
ただし,設定は
38400baud, Async, 8bit , NoParity, stop1
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"
#define clearTimer1Flag() (ITU1.TSR.BIT.IMFA=0)

volatile unsigned int counter;

main()
{
    unsigned int counter1;
    unsigned int t1,t2;
    initSCI1(); /*SCI-ch1の初期化*/
    initTimer01Int(100); /*時間割り込み100msec ch0,ch1使用*/
    E_INT();        /*CPU割り込み許可*/
    startTimer01();  /*時間割り込みタイマスタートch0,ch1*/
    counter=0;
    while(1) {
        counter1=counter;
        t1=counter1/10;
        t2=counter1%10;
        SCI1_printf("%10u.%1u\r",t1,t2);
    }
}

#pragma asm
    .SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
    .ORG        H'000070  ;IMIA1
    .DATA.L     _TimerIntFunc
    .SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
#pragma endasm

#pragma interrupt (TimerIntFunc)
void TimerIntFunc() /*タイマ割り込みルーチン*/
{
    clearTimer1Flag();  /*タイマステータスフラグのクリア 忘れないこと*/
    counter++;
}

練習問題 int2nd.c,sciout.c,timer.cを元にして次のプログラムを作りなさい。
(実行の様子を検察して,その結果,気付いた事を含め,別途指定された書式で括弧の
 中ファイル名で提出しなさい)

(1)1msec(1000μsec)ごとの割り込みを用いて,ストップウォッチを作成せよ。
  スタート・ストップボタンなどはキーボードのキーに割り当てる。
  また割り込み関数内で表示を行なってはいけない。グローバル変数のカウンタ変数を
  用いればよいだろう。
  キーの割り当て
  A:スタート(再開) B:ストップ C:クリア (ストップしても再開できる)
  getCharSCI1()ではなくchkgetCharSCI1()の使用を考えなさい。
  どうして割り込み関数内で表示していけないか考えなさい。
  H8CPUからPCへのデータ転送は38400bit/secである。1バイト送信するのに10ビット
  の転送が必要である。
  割り込み関数は,次の割り込み要求が生ずる前に作業を終了しなければならない。
  1msecごとの割り込みなら,割り込み関数内で文字をH8からPCへ転送するとしたら,
  何文字程度送信できるか考えなさい。
  (mp6ex01.txt) ET

(2)キーボードから0から10までの整数をint型変数ratioに受け取り,「4.2 int2nd.c」
  のプログラムで,点灯時間をratio/10のデューティ比になるようにしなさい。
  またデューティ比の変更は何回でもできるようにしなさい。
  (mp6ex02.txt)

(3)シリアル通信速度は"h8_3048.hの中の関数initSCI1で設定されている。
  この関数の中では通信速度が38400bit/secになるよう設定されている。
  (ハイパーターミナルも38400bit/secに設定されているので通信ができている。)
  この部分を自分のファイルに取り込み,19200bit/secの通信速度にした例を示す。
    
sciout38400_19200.c
  このプログラムを改造し通信速度を1200bit/secに設定し,通信を検証しなさい。
  ハードウェアマニュアルを読まないとできません。
  (mp6ex03.txt)
  「ハイパーターミナル」側の通信速度を設定するには
   「通信」メニューから「切断」を選ぶ
   「ファイル」メニューから「プロパティ」を選び,プロパティダイアログを開く
   「接続の設定」タブの「モデムの構成...」ボタンを選ぶ
   「ポートの設定」タブの「ビット/秒」を変更する
   2つの設定ダイアログを「OK」でもどる。 
   「通信」メニューから「電話」を選ぶ。
   ハイパーターミナルの下部に「19200 8-N-1」,「1200 8-N-1」
   など希望の設定が表示されたらOK

 

7.独立した複数の作業の書き方
リアルタイムOSを使うと,もっと別な書き方になるが,ここではリアルタイムOSを使わない方法でプログラミングする

例題

プッシュスイッチ1(内部表現では0)を押しした瞬間から2秒間LED0が点灯し、消灯する。
プッシュスイッチ2(内部表現では1)を押しした瞬間から2秒間LED1が点灯し、消灯する。
ただし、LED0が点灯中にプッシュスイッチ1が押されたら、残り点灯時間には無関係に、その時点から新たに2秒間点灯するものとする。
同様に、LED1が点灯中にプッシュスイッチ2が押されたら、残り点灯時間には無関係に、その時点から新たに2秒間点灯するものとする。
また、LED0が点灯中にプッシュスイッチ2が押されたら、LED0の動作には影響を与えず、LED1は、その時点から2秒間点灯するものとする。
同様に、LED1が点灯中にプッシュスイッチ1が押されたら、LED1の動作には影響を与えず、LED2は、その時点から2秒間点灯するものとする。
このような2つの動作を独立動作と呼ぶ。

独立した2つの作業を行う
失敗作(プログラムはわかりやすいが失敗する)

/**********************************************************
PushSW1でLED0をPushSW2でLED0を1秒間点灯させる
この2つの作業は独立に行われる
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"
#define clearTimer1Flag() (ITU1.TSR.BIT.IMFA=0)

volatile int count1=-1;/*LED0用カウンタ -1の時は休止中*/
volatile int count2=-1;/*LED1用カウンタ -1の時は休止中*/
main()
{
    initLed();
    initPushSW();/*PushSWの初期化*/
    initTimer1Int(10000); /*時間割り込み10000μsec=10msec ch1使用*/
    E_INT();        /*CPU割り込み許可*/
    startTimer1();  /*時間割り込みタイマスタートch1*/
    while(1) {
        if (count1==-1 && checkPushSW(0)==1) {
            count1=0;
            turnOnLed(0);
            while (count1<200); /*200カウントで2秒経過*/
            count1=-1;
            turnOffLed(0);
        }
        if (count2==-1 && checkPushSW(1)==1) {
            count2=0;
            turnOnLed(1);
            while (count2<200); /*200カウントで2秒経過*/
            count2=-1;
            turnOffLed(1);
        }
    }
}

#pragma asm
    .SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
    .ORG        H'000070  ;IMIA1
    .DATA.L     _TimerIntFunc
    .SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
#pragma endasm

#pragma interrupt (TimerIntFunc)
void TimerIntFunc() /*タイマ割り込みルーチン*/
{
    static int tick=0;
    clearTimer1Flag();  /*タイマステータスフラグのクリア 忘れないこと*/
    if (count1!=-1) count1++;
    if (count2!=-1) count2++;
}

独立した2つの作業を行う(成功例)

/**********************************************************
PushSW1でLED0をPushSW2でLED0を2秒間点灯させる
この2つの作業は独立に行われる
**********************************************************/
#include <3048f.h>
#include "h8_3048.h"
#define clearTimer1Flag() (ITU1.TSR.BIT.IMFA=0)

volatile int count1=-1;/*LED0用カウンタ -1の時は休止中*/
volatile int count2=-1;/*LED1用カウンタ -1の時は休止中*/
main()
{
    initLed();
    initPushSW();/*PushSWの初期化*/
    initTimer1Int(10000); /*時間割り込み10000μsec=10msec ch1使用*/
    E_INT();        /*CPU割り込み許可*/
    startTimer1();  /*時間割り込みタイマスタートch1*/
    while(1) {
        if ((count1==-1 || 50<count1) && checkPushSW(0)==1) {
            count1=0;
            turnOnLed(0);
        } else if (200<count1) { /*200カウントで2秒経過*/
            count1=-1;
            turnOffLed(0);
        }
        if ((count2==-1 || 50<count2) && checkPushSW(1)==1) {
            count2=0;
            turnOnLed(1);
        } else if (200<count2) { /*200カウントで2秒経過*/
            count2=-1;
            turnOffLed(1);
        }
    }
}

#pragma asm
    .SECTION    MYVEC, DATA, LOCATE=H'000070
    .ORG        H'000070  ;IMIA1
    .DATA.L     _TimerIntFunc
    .SECTION    P,CODE,ALIGN=2 ;これを忘れてはいけない
#pragma endasm

#pragma interrupt (TimerIntFunc)
void TimerIntFunc() /*タイマ割り込みルーチン*/
{
    static int tick=0;
    clearTimer1Flag();  /*タイマステータスフラグのクリア 忘れないこと*/
    if (count1!=-1) count1++;
    if (count2!=-1) count2++;
}

練習問題 (mp7ex01.txt)

プッシュスイッチ1(内部表現では0)を押した瞬間からLED0は1秒間点灯し、1秒間消灯し、
1秒間点灯して動作を終了する。このLED0の動作を定型動作とする。
プッシュスイッチ2(内部表現では1)を押した瞬間からLED1は1秒間点灯し、1秒間消灯し、
1秒間点灯して動作を終了するという定型動作をおこなう。
ただし、LED0が定型動作中にプッシュスイッチ1が押されたら、残り定型動作時間には無関係に、その時点か
ら新たに定型動作を開始するものとする。
同様に、LED1が定型動作中にプッシュスイッチ2が押されたら残り定型動作時間には無関係に、その時点から
新たに定型動作を開始するものとする。
また、LED0が定型動作中にプッシュスイッチ2が押されたら、LED0の定型動作には影響を与えず、LED1は、
定型動作を開始するものとする。
同様に、LED1が定型動作中にプッシュスイッチ1が押されたら、LED1の定型動作には影響を与えず、LED2は、
定型動作を開始するものとする。
この動作も前例題と同様に独立動作である。
なお,2つの例題には失敗作と成功例があるが,どのように失敗していて,どのようにして成功させたかを考察で述べなさい。

練習問題 (mp7ex02.txt)

前課題の2つプッシュスイッチにより起動する定型動作に加え、プッシュスイッチ3によって起動するも
う1つの定型動作を行うようにする。
シリアル通信とハイパーターミナルを用いて次の動作をおこなう。
ハイパーターミナルで電光掲示板のように「Hello, everyone!」を右から左に流れるように表示する。表
示中に再度プッシュスイッチが押されたら、表示動作は最初から再表示になる。
また、LED0、LED1とこの表示はそれぞれ独立動作である。
電光掲示板のように表示させるには次の文字列を0.1秒ごとに表示ればよい。
最後まで表示したら、この定型動作は終了である。
"               H\r"
"              He\r"
"             Hel\r"
"            Hell\r"
"           Hello\r"
"          Hello,\r"
       :
"Hello, everyone!\r"
"ello, everyone! \r"
"llo, everyone!  \r"
"lo, everyone!   \r"
       :
"e!              \r"
"!               \r"
"                \r"

 


 参考1 H8ピン配置

コネクタ1(CN1)ピン割り当て

コネクタ2(CN2)ピン割り当て

コネクタ3(CN3)ピン割り当て

コネクタ4(CN4)ピン割り当て

コネクタ5(CN5)ピン割り当て

CN1 pin H8 pin name
1 GND GND
2 GND GND
3 87 P8-0
4 88 P8-1
5 89 P8-2
6 90 P8-3
7 91 P8-4
8 93 PA-0
9 94 PA-1
10 95 PA-2
11 96 PA-3
12 97 PA-4
13 98 PA-5
14 99 PA-6
15 100 PA-7
16 2 PB-0
17 3 PB-1
18 4 PB-2
19 5 PB-3
20 6 PB-4
21 7 PB-5
22 8 PB-6
23 9 PB-7
24 10 RES0
25 12 P9-0
26 13 P9-1
27 14 P9-2
28 15 P9-3
29 16 P9-4
30 17 P9-5
31 18 P4-0
32 19 P4-1
33 20 P4-2
34 21 P4-3
35 5V 5V
36 5V 5V
37 GND GND
38 GND GND
39 POWER POWER
40 POWER POWER
CN2 pin H8 pin name
1 GND GND
2 GND GND
3 62 STBY
4 63 RES
5 64 NMI
6 69 P6-3
7 70 P6-4
8 71 P6-5
9 72 P6-6
10 76 AVCC
11 77 AREF
12 78 P7-0
13 79 P7-1
14 80 P7-2
15 81 P7-3
16 82 P7-4
17 83 P7-5
18 84 P7-6
19 85 P7-7
20 86 AVSS
CN3 pin H8 pin name
1 GND GND
2 GND GND
3 23 P4-4
4 24 P4-5
5 25 P4-6
6 26 P4-7
7 27 P3-0
8 28 P3-1
9 29 P3-2
10 30 P3-3
11 31 P3-4
12 32 P3-5
13 33 P3-6
14 34 P3-7
15 36 P1-0
16 37 P1-1
17 38 P1-2
18 39 P1-3
19 40 P1-4
20 41 P1-5
21 42 P1-6
22 43 P1-7
23 45 P2-0
24 46 P2-1
25 47 P2-2
26 48 P2-3
27 49 P2-4
28 50 P2-5
29 51 P2-6
30 52 P2-7
31 53 P5-0
32 54 P5-1
33 55 P5-2
34 56 P5-3
35 58 P6-0
36 59 P6-1
37 60 P6-2
38 61 CK
39 GND GND
40 GND GND
CN4 pin H8 pin name
1 POWER POWER
2 GND GND
3 5V 5V
4 U2-8 RXD1
5 U2-13 RXD0
6 U2-7 TXD1
7 U2-14 TXD0
8 10 VPP
9 75 MD2
10 63 RES
CN5 pin H8 pin name
1 GND GND
2 73 MD-0
3 GND GND
4 74 MD-1
5 GND GND
6 75 MD-2

AKI-H8付属のコネクタ番号表


参考2 h8_3048.h

h8_3048.h

/****************************************************************
h8_3048.h
Copyright (c) Kosaka Lab CS TNCT

このインクルードファイルは小坂研究室の代々の研究生が開発した
有用な関数群を改良して小坂がまとめたものである。
28 Jun 2006 h8-3048.h  小坂 chkgetSCI1のタイミング修正
 4 Dec 2003 h8-3048.h  小坂 printf更新,initLed更新,initDDR削除
08 Oct 2003 h8-3048.h  小坂 stopTimer追加,getIntSCI1でBS使用可
 6 Jan 2003 h8_3048.h  小坂 getIntSCIバックスペイスに対応。
17 Apr 2002 h8-01.h  小坂 %uの使い方をansiにあわせた。
14 Dec 2001 h8-01.h  小坂,越智
15 Jly 2000 h8-00.h  小坂,藤原
22 Dec 1999 h8-99.h  小坂,高沢
29 Oct 1999 h8-99.h  小坂
05 Feb 1999 lib.h    笠井

【1】ポートの入出力管理
void initDDR(void)
 write only register DDR設定用変数の初期化

【2】SCI ch1 関係
void initSCI1()
 SCI-ch1の初期化 38400baud, Async, 8bit , NoParity, stop1

short int getCharSCI1()
 SCI-ch1から1byte入力コード。エラーがあると-2が戻る。
short int chkgetCharSCI1()
 SCI-ch1を検査し,受信データがあれば1byte入力コード。なければ-1が,失敗すると-2が戻る。
short int getIntSCI1(char prompt[])
 SCI-ch1からプロンプト付で,short intの値を受け取る。
 正負の10進数または16進数を受け付ける。16進数は0xで始まる

void putCharSCI1(char c)
 SCI-ch1に1バイト出力する。
void putStringSCI1(char *str)
 SCI-ch1に文字列を出力する。
void SCI1_printf(char *format,...)
  関数printfのSCI版
  軽量化のためエラー処理はないので桁数指定の場合は注意
  対応書式
  %d   : [int] integer with sign. '%d','%4d','%-4d', and '%04d' are available
  %ld  : explicit [long int]  '%ld','%9ld','%-9ld', and '%09ld' are available
  %u   : [unsigbed int] unsigned integer.
            '%u','%4u','%-4u', and '%04u' are available
  %lu  : explicit [unsigned long int]
            '%lu','%9lu','%-9lu', and '%09lu' are available
  %x   : [unsigned int] in Hex  '%x','%4x','%-4x', and '%04x' are available
  %lx  : explicit [unsigned long int] in Hex 
            '%lx','%8lx','%-8lx', and '%08lx' are available
  %o   : [unsigned int] in Oct  '%o','%4o','%-4o', and '%04o' are available
  %lo  : explicit [unsigned long int] in Oct 
            '%lo','%8lo','%-8lo', and '%08lo' are available
  %b   : [unsigned int] in Bin  '%b','%8b','%-8b', and '%08b' are available
  %lb  : explicit [unsigned long int] in Bin 
            '%lb','%8lb','%-8lb', and '%08lb' are available
  %c   : char
  %s   : string %20s %-20s are available

【3】AKI-H8マザーボード関係
void initLed()
 LEDの初期化
void turnOnLed(short int number)
 LEDの点灯 numberはLED番号で0または1を指定する
void turnOffLed(short int number)
 LEDの消灯 numberはLED番号で0または1を指定する

void initPushSW(void)
 押しボタンスイッチの初期化
short int getPushSW(void)
 押しボタンスイッチの取得 ただしポートを読み込み,ビット反転のみ。
 押しボタンスイッチの状況は第4-第7ビットに現れる。
 これはマクロ定義で実現されている
short int checkPushSW(short int number)
 push sw 0,1,2,3の状態を調べる number:0,1,2,or 3
 押されていたら1、そうでなかったら0を返す

void init8BitSW(void)
 8ビットスイッチの初期化
short int get8BitSW(void)
 8ビットスイッチの取得 ただしポートを読み込み,ビット反転のみ。
 8ビットスイッチの状況は第0-第7ビットに現れる。
 これはマクロ定義で実現されている
short int check8BitSW(short int number)
 8bitsw 0,1,2,3,4,5,6,7の状態を調べる number:0,1,2,3,4,5,6,or 7
 ONなら1、そうでなかったら0を返す

【4】タイミング割り込み
void initTimer1Int(unsigned short int period)
 ITU1による割り込みタイマーの設定
 割り込み間隔は引数peiodで単位はμsecである
 値は32767以下でなければならない。32.767msecまで設定可能
void startTimer1(void)
 Timer CH1 スタート
 これはマクロ定義で実現されている

void initTimer01Int(unsigned short int period)
 ITU0とITU1による割り込みタイマーの設定
 割り込み間隔は引数peiodで単位はmsecである
 値は65535以下でなければならない。65.535secまで設定可能
 ただしポートPAの第3ビットが使用できなくなるので注意
void startTimer01(void)
 Timer CH0 CH1 同時スタート
 これはマクロ定義で実現されている

****************************************************************/

#include<stdarg.h>

unsigned char P1DDR=0,P2DDR=0,P3DDR=0,P4DDR=0,P5DDR=0;
unsigned char  P6DDR=0,P7DDR=0,P8DDR=0,P9DDR=0,PADDR=0,PBDDR=0;

extern void E_INT();
extern void D_INT();

/*void initDDR(void)
{
    P1DDR=P2DDR=P3DDR=P4DDR=P5DDR=P6DDR=P7DDR=P8DDR=P9DDR=PADDR=PBDDR=0;
}
*/
/*以前のバージョンとの互換性のため*/
#define initDDR()

/*SCI関係の基本部分は笠井君(1998年度)藤原君(2000)の開発です*/
/* ------------------------------------------------- */
/* SCI1 INITIALIZATION fixed baud at 38400           */
/* ------------------------------------------------- */
void initSCI1()
{
    short int i;
    /*unsigned char dummy;*/
    SCI1.SCR.BYTE = 0;       /* clear all flags */
                      /* 2400-38400baud are available at n=0(cks1=0,cks2=0) */
    SCI1.SMR.BYTE = 0;       /* Async, 8bit , NoParity, stop1, 1/1 */
    SCI1.BRR = 12;          /* 38400baud (CPU=16MHz) */
    for(i=0;i<1000;i++);      /* wait more than 1bit time */
    SCI1.SCR.BYTE = 0x30;    /* scr = 0011 0000 (TE=1,RE=1) */
    /*dummy = SCI1.SSR.BYTE;*/   /* read dummy             ????*/
    /*SCI1.SSR.BYTE = 0x80;*/  /* clear error flag (TDRE = 1)     ????*/
    return;
}

/* ------------------------------------------------- */
/* GET BYTE FROM SCI1 */
/* ------------------------------------------------- */
short int getCharSCI1()
/* return value 0x00-0xFF:received data */
/*              -2(0xFFFE):error */
{
    short int flags,recdata;
    do {
        flags = SCI1.SSR.BYTE;
        if (flags&0x38) {/* error */
            SCI1.SSR.BIT.RDRF = 0;
            SCI1.SSR.BIT.ORER = 0;
            SCI1.SSR.BIT.FER = 0;
            SCI1.SSR.BIT.PER = 0;
            return -2;
        }
        if (flags&0x40) {/* normally received one data */
            SCI1.SSR.BIT.RDRF = 0;
            recdata=SCI1.RDR;
            return recdata;
        }
    } while (1);
}

/* ------------------------------------------------- */
/* CHECK SCI BUFFER AND GET DATA */
/* ------------------------------------------------- */
short int chkgetCharSCI1()
/* return value -1(0xFFFF):no received data  */
/*              0x00-0xFF:received data */
/*              -2(0xFFFE):error */
{
    short int flags,recdata;
    flags = SCI1.SSR.BYTE;
    if (flags&0x38) {/* error */
        SCI1.SSR.BIT.RDRF = 0;
        SCI1.SSR.BIT.ORER = 0;
        SCI1.SSR.BIT.FER = 0;
        SCI1.SSR.BIT.PER = 0;
        return -2;
    }
    if (flags&0x40) {/* normally received one data */
        recdata=SCI1.RDR;
        SCI1.SSR.BIT.RDRF = 0;
        return recdata;
    } else {
        return -1;
    }
}

void putStringSCI1(char *str);

/*SCI1より文字列入力[return]が終端だが,'\n'は取得されない*/
/*^Hでバックスペイス*/
int getStringSCI1(char *buff,int max)
{
    int i,ch;
    for (i=0;i<max-1;i++) {
        ch=getCharSCI1(); /*1文字取得*/
        *buff=(char)ch; /*1文字取得*/
        if (*buff=='\r'||ch<0) {
            *buff=0;
            return i+1;
        }
        if (*buff==0x8) {
            buff-=2;
            i-=2;
        }
        if (*buff!='\n') buff++;
        else i--;
    }
    *buff=0;
    return i+1;
}

/*SCI1へプロンプトを表示して,SCI1より整数値を入力*/
short int getIntSCI1(char prompt[])
/*getting integer from serial port*/
/* format 123[ret] */
/*        -123[ret] */
/*        0x1a[ret] */
/*        -0x100[ret] */
{
    short int x=0,y,m=0,n=0,v=0,i=0;
    char buff[16];
    putStringSCI1(prompt);
    getStringSCI1(buff,16);
    y=buff[i];
    while(y!=0){
        if(y=='-') m=1;
        if('a'<=y&&y<='z') y=y-'a'+'A';
        if(y=='0') n=1;

        if(v==1){
            if('0'<=y&&y<='9'){
                y=y-'0';
            }
            else if('A'<=y&&y<='F'){
                y=y-'A'+10;
            }
            x=16*x+y;
        }

        if(n==1&&y=='X'){
            v=1;
        }
               
        if(v==0&&'0'<=y&&y<='9'){
            y=y-'0';
            x=10*x+y;
        }

        y=buff[++i];
    }
    if(m==1) x=-x;
    return x;
}

/* ------------------------------------------------- */
/* PUT BYTE TO SCI1 */
/* ------------------------------------------------- */
void putCharSCI1(char c)
{
    unsigned char tmp;
    if (c=='\n') putCharSCI1('\r');
    do{
        tmp = SCI1.SSR.BYTE;
    } while((tmp & 0x80)==0);
    SCI1.TDR = c;
    SCI1.SSR.BIT.TDRE = 0;
    return;
}

void putStringSCI1(char *str)
{
    while(*str){
        putCharSCI1(*str);
        str++;
    }
}

const char hexstring[]="0123456789abcdef0123456789ABCDEF";
#define MAXDIGIT 34
void SCI1_printf(char *format,...)
{
    va_list arg_ptr;
    char buf[MAXDIGIT];
    unsigned char flag=0;  /*%d:bit2 l:bit1 %:bit0 */
    unsigned char digit=0; /* 桁数 */
    unsigned char minus=0;
    char fill=' ',format1=' ';
    unsigned char radix=10; /*N進基数*/
    char sign=' ';
    char *ptr=buf; /*出力文字ポインタ*/
    unsigned char cntr=0; /*出力文字数カウンタ*/
    unsigned char shift=0; /*16進シフト 0 or 6*/
    unsigned char i;
    unsigned long int value=0;
    va_start(arg_ptr,format);
    while (*format) {
        format1=*format;
        if (flag==0) {
            if (format1=='%') {
                flag=1;
                digit=0;
                fill=' ';
                minus=0;
                radix=0;
                ptr=&buf[MAXDIGIT-1];
                *ptr--='\0';
                cntr=0;
                shift=0;
                sign='+';
            } else {
                putCharSCI1(format1);
            }
        } else {
            if (format1=='l') {
                flag|=2;
            } else if ('0'<=(format1)&&(format1)<='9') {
                if (digit==0 && format1=='0') {
                    fill='0';
                } else {
                    digit=digit*10+((format1)-'0');
                    if (MAXDIGIT-2<digit) digit=MAXDIGIT-2;
                }
            } else if (format1=='-') {
                minus=1;
            } else if (format1=='d') {
                flag|=4;
                radix=10;
            } else if (format1=='u') {
                radix=10;
            } else if (format1=='x') {
                radix=16;
            } else if (format1=='X') {
                radix=16;shift=16;
            } else if (format1=='o') {
                radix=8;
            } else if (format1=='b') {
                radix=2;
            } else if (format1=='p') {
                radix=16;shift=16;digit=8;fill='0';flag|=2;
            } else if (format1=='c') {
                putCharSCI1((unsigned char)(va_arg(arg_ptr,int)));
                flag=0;
            } else if (format1=='s') {
                if (digit) {
                    cntr=0;ptr=va_arg(arg_ptr,char *);
                    while (ptr[cntr]) cntr++; /*cntrは文字数*/
                    if (!minus) for (i=cntr;i<digit;i++) putCharSCI1(' ');
                    putStringSCI1(ptr);
                    if (minus) for (i=cntr;i<digit;i++) putCharSCI1(' ');
                } else {
                    putStringSCI1(va_arg(arg_ptr,char *));
                }
                flag=0;
            } else {
                putCharSCI1(format1);
                flag=0;
            }
            if (radix) {
                switch (flag&6) {
                case 0: /* unsig int */
                    value=(unsigned int)va_arg(arg_ptr,int);
                    break;
                case 2: /* unsig long int */
                    value=va_arg(arg_ptr,long int);
                    break;
                case 4: /* sig int */
                    value=(long int)va_arg(arg_ptr,int);
                    if ((long int)value<0) {
                        value=-(long int)value;
                        sign='-';
                    }
                    break;
                case 6: /* sig long int */
                    value=va_arg(arg_ptr,long int);
                    if ((long int)value<0) {
                        value=-(long int)value;
                        sign='-';
                    }
                    break;
                default:
                    break;
                }
                while (value) {
                    *ptr--=hexstring[value%radix+shift];
                    cntr++;
                    value/=radix;
                }
                if (cntr==0) {
                    *ptr--='0';
                    cntr++;
                }
                if (fill==' ') {
                    if (sign=='-') {
                        *ptr--='-';
                        cntr++;
                    }
                    if (!minus) for (i=cntr;i<digit;i++) putCharSCI1(' ');
                    putStringSCI1(++ptr);
                    if (minus) for (i=cntr;i<digit;i++) putCharSCI1(' ');
                } else {
                    for (;cntr<digit-1;cntr++) *ptr--='0';
                    if (sign!='-'&&cntr<digit) *ptr--='0';
                    else if (sign=='-') *ptr--='-';
                    putStringSCI1(++ptr);
                }
                flag=0;
            }
        }
        format++;
    }
}

/* ------------------------------------------------- */
/* LED INITIALIZATION */
/* ------------------------------------------------- */
/**********************************************************
LED 0:P5-0
LED 1:P5-1
**********************************************************/
void initLed()
{
    P5DDR |=  0x3;
    P5.DDR = P5DDR;
}

/* ------------------------------------------------- */
/* LET LED ON */
/* ------------------------------------------------- */
/*numberは0または1*/
void turnOnLed(short int number)

    static unsigned char mask[]={1,2};
    P5.DR.BYTE |=mask[number];
}

/* ------------------------------------------------- */
/* LET LED OFF */
/* ------------------------------------------------- */
/*numberは0または1*/
void turnOffLed(short int number)
{
    static const unsigned char mask[]={0xfe,0xfd};
    P5.DR.BYTE &=mask[number];
}

/* ------------------------------------------------- */
/* PUSH SW INITIALIZATION */
/* ------------------------------------------------- */
/**********************************************************
押しボタンスイッチS0:P4-4
押しボタンスイッチS1:P4-5
押しボタンスイッチS2:P4-6
押しボタンスイッチS3:P4-7
**********************************************************/
void initPushSW(void)
{
    P4DDR &= 0xf; /*P4-4,5,6,7は入力*/
    P4.DDR=P4DDR;
    P4.PCR.BYTE|=0xf0; /*P4-4,5,6,7はプルアップ */
}

/* ------------------------------------------------- */
/* GET PUSH SW  */
/* ------------------------------------------------- */
/*push swの状態をそのまま返す
short int getPushSW(void)
{
    return (((unsigned char)(~P4.DR.BYTE))&0xf0);
}
*/
#define getPushSW() (((unsigned char)(~P4.DR.BYTE))&0xf0)

short int checkPushSW(short int number)
/*push sw 0,1,2,3の状態を調べる number:0,1,2,or 3*/
/*押されていたら1、そうでなかったら0を返す*/
{
    short int ret;
    static const unsigned char mask[]={0x10,0x20,0x40,0x80};
    if (P4.DR.BYTE&mask[number]) ret=0;
    else ret=1;
    return ret;
}

/* ------------------------------------------------- */
/* PUSH 8 BIT SW INITIALIZATION */
/* ------------------------------------------------- */
void init8BitSW(void)
{
    P2DDR &=  0x00;/*8bitSWのポートを入力に設定*/
    P2.DDR = P2DDR;
    P2.PCR.BYTE = 0xff;/*8bitSWのプルアップ設定*/
}

/*8bitswの状態をそのまま返す
short int get8BitSW(void)
{
    return (unsigned char)(~P2.DR.BYTE);
}
*/
#define get8BitSW() (unsigned char)(~P2.DR.BYTE)

short int check8BitSW(short int number)
/*8bitsw 0,1,2,3,4,5,6,7の状態を調べる number:0,1,2,3,4,5,6,or 7*/
/*ONなら1、そうでなかったら0を返す*/
{
    short int ret;
    static const unsigned char mask[]={1,2,4,8,0x10,0x20,0x40,0x80};
    if (P2.DR.BYTE&mask[number]) ret=0;
    else ret=1;
    return ret;
}

/*タイマ割り込みは笠井君(1998),越智君(2001)による開発です*/
/* ------------------------------------------------- */
/* TIMER INITIALIZATION */
/* ------------------------------------------------- */
void initTimer1Int(unsigned short int period)
/*ITU1による割り込みタイマーの設定(越智君2001による)*/
/*割り込み間隔は引数peiodで単位はμsecである*/
/*値は32767以下でなければならない*/
/*32.767msecまで*/
{
    ITU1.TCR.BIT.CCLR=1;  /*GRAのコンペアマッチでTCNTをクリア*/
    ITU1.TCR.BIT.CKEG=0;  /*立ち上がりエッジでカウント*/
    ITU1.TCR.BIT.TPSC=3;  /*内部クロックφ/8でカウント*/
    ITU1.GRA=2*period-1;  /*割り込みの周期をperiod[μs]に指定*/
    ITU1.TIER.BIT.IMIEA=1; /*TCNT=GRAとなったときの割り込み要求を許可*/
    ITU1.TIER.BIT.OVIE=0;  /*オーバー・アンダーフロー発生時の割り込みを禁止*/
    ITU1.TIER.BIT.IMIEB=0;  /*TCNT=GRBとなったときの割り込みを禁止*/
}

void initTimer01Int(unsigned short int period)
/*ITU0とITU1による割り込みタイマーの設定(笠井君(1998)による)*/
/*割り込み間隔は引数peiodで単位はmsecである*/
/*値は65535以下でなければならない*/
/*65.535secまで*/
/*ただしポートPAの第3ビットが使用できなくなるので注意*/
{
    ITU0.TCR.BYTE = 0xc3;   /* タイマー CH0 GRBでクリア、内部1/8クロック */
    ITU0.TIOR.BYTE = 0xb8;  /* タイマー CH0 GRBのコンペアマッチでトグル出力 */
    ITU0.GRB = 2000-1;        /* タイマー CH0 ((16/8)MHz)/1000Hz=2000 */
   
    ITU1.TCR.BYTE = 0xb7;   /* タイマー CH1 GRAでクリア、TCLKDをカウントする */
    ITU1.TIOR.BYTE = 0x8a;  /* タイマー CH1 GRAのコンペアマッチ出力 */
    ITU1.GRA = period-1;      /* タイマー CH1 1000 = 1SEC */
    ITU1.TIER.BYTE = 0xf9;  /* タイマー CH1 GRAで割り込みする */
}

/* ------------------------------------------------- */
/* TIMER START */
/* ------------------------------------------------- */
/*
Timer CH0 CH1 同時スタート
void startTimer01(void)
{
    ITU.TSTR.BYTE |= 0x03;
}
Timer CH1 スタート
void startTimer1(void)
{
    ITU.TSTR.BYTE |= 0x02;
}

Timer CH0 CH1 同時ストップ
void stopTimer01(void)
{
    ITU.TSTR.BYTE &= ~0x03;
}
Timer CH1 ストップ
void stopTimer1(void)
{
    ITU.TSTR.BYTE &= ~0x02;
}
*/
#define startTimer01() (ITU.TSTR.BYTE |= 0x03) /* Timer CH0 CH1 同時スタート */
#define startTimer1()  (ITU.TSTR.BYTE |= 0x02) /* Timer CH1 スタート */
#define stopTimer01()  (ITU.TSTR.BYTE &= ~0x03) /* Timer CH0 CH1 同時ストップ */
#define stopTimer1()   (ITU.TSTR.BYTE &= ~0x02) /* Timer CH1 ストップ */